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[2021.06]【TOKIKOの 地球曼荼羅 ⑪】モンスーン、震えるアジア

文●加藤登紀子

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❶ 6月の雨、降り続けてる

 アジアでの歴史の大きな波がなぜ6月なのか、モンスーンの嵐の中に、民衆の叫びが聞こえてくるようで、「モンスーン」という歌を作詞作曲しました。
 「東京、北京、ホーチミン、バンコック、沖縄、マニラ、ヤンゴン...。6月の雨、降り続けてる、過去のページを開けたまま」
 忘れがたい歴史の日付け、といえばまず、1989年6月4日、北京で起こった民主化を願う学生のデモに国軍が発砲した天安門事件。6月15日は1960年、安保反対運動の中で、国会構内に突入したデモ隊に警官隊が激突、東大生の樺美智子さんが亡くなった日。6月23日は1945年、太平洋戦争で米軍との激戦地となった沖縄戦が敗北した終結の日。

❷「島唄」を歌う

 ある意味で私の大きな転機だった1993年、前年に「紅の豚」が上映されたのでしたが、同時に父の死に出会い、いろんな思いの中で、半年歌手活動を休止、まっさらな再スタートを願っていた時、ふとテレビを見ていて、画面一杯に迫るThe BOOMの宮沢和史さんの歌う「島唄」に釘付けになったのでした。
 どうしてもカバーさせて欲しいと願い、幸いプロデューサーと連絡を取ることができ、レコーディングすることになったのです。スタジオに The BOOMのメンバー全員が来て下さり、私の歌のバックに掛け声のような合いの手をレコーディング。その時宮沢さんが、「船に姫を乗せて海に漕ぎ出すような、勢いのある声で」と説明。若いミュージシャンなのに何だか熟達した映画監督みたいな貫禄が感じられて、不思議な感慨がありました。その日が宮沢和史さんとの初対面。その後ずっとかけがえのないおつき合いが続いています。
 この曲を歌うにあたり、私の勝手なこだわりで、6月23日の沖縄終戦の日の式典に特別の思いで参加させていただき、沖縄の海で写真の撮影をし、8月21日にシングル発売したのでした。

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