[2021.05]映画評『ファーザー』『やすらぎの森』
『ファーザー』『やすらぎの森』
“認知症”を疑似体験するめくるめく映像の衝撃と
“老い”を巡る人生の機微と深淵に心を震わせる。
文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター)
※こちらの記事は、5/12からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。
文明や医学が進みほとんどの物が金銭と引き換えに得られる(もちろん例外はある)現在、急激に高齢化が進行する社会の中でどんな大富豪でさえも避けて通れないのが “老い” の問題だ。これ迄の長い映画の歴史の中でも多くの作品が老いをテーマとして描き、何本もの名作が生まれてきたが、今後はさらに切実な問題として老いを捉えた作品が増えるはずだ。ここでは今月公開される、人生の黄昏時を描いた作品を2本紹介しよう。
『ファーザー』
※5月14日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他 全国ロードショー
© NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020
https://thefather.jp
ここから先は
4,259字
/
2画像
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。
世界の音楽情報誌「ラティーナ」
¥900 / 月
「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…