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【連載シコ・ブアルキの作品との出会い⑬】カーニヴァルの隊列のように通り去る過去と、新時代の幕開け ─ シコ・ブアルキ作《Vai passar》

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura

お知らせ●中村安志氏の執筆による好評連載「アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い」については、今後も隔週で素晴らしい記事が続きます。今回は「シコ・ブアルキの作品との出会い」の方を掲載しています。今後も、基本的に交互に掲載して行きます。両連載とも、まだまだ凄い話が続きます。乞うご期待!!!(編集部)

 本日は、1985年、シコ自らのファーストネームをタイトルにしたアルバム『Fracisco』の中に収録された、「Vai passar(通り過ぎていく)」というサンバをご紹介します。
 ひと口にサンバと言っても、酒をちょっと置いたテーブルを囲み、小編成で和んで歌うのを近距離で聴く、いわゆるパゴーヂ的なものから、大規模会場で数百人単位の打楽器隊が打ち鳴らすリズムに合わせたカーニヴァルの行進で壮大な物語を歌い上げるサンバ・エンヘードまで、様々あります。

リオのカーニバル、トップ・リーグのパレード」 撮影 : 中村安志

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