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Web版 2021年5月

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2021年5月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
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#映画

[2021.06]宮下ケレコン えりか【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●宮下ケレコン えりか 本エントリーは、6/9(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 【ブラジル映画について】  ブラジル映画との出会いは20年程前、リオデジャネイロのレンタル屋で借りた『Bicho de sete cabeças(七つの頭のケダモノ, 2000)』であった。精神科病院に入院させられた青年を演じた俳優が端正な顔をしていたこと、でもそれ以上にその演技力に度肝を抜かれたことを覚えている。映画の余韻をかみしめてエン

[2021.05]中原 仁【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●中原 仁 本エントリーは、5/26(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  36年前、熱狂的にハマったブラジル映画がグラウベル・ローシャの作品たちだった。それまで、USAニュー・シネマに始まりフランスのヌーヴェル・バーグ、フェリーニやアントニオーニなどのイタリア映画を見てきたので、シネマ・ノーヴォの世界にスンナリと入りこめたのだと思う。今年はグラウベルの没後40年。特集再上映の機会があることを願う。  

[2021.05]岸和田 仁【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●岸和田 仁 本エントリーは、5/26(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  シネマ・ノーヴォにコミットした映画人の戦列に最若年者として参加したのがカカー・ヂエゲスであったが、1999年の月刊誌記事で「僕は世界を考えている映画人だ。僕は君たちが土曜日の夜にでもヒマを潰すための映画を作るのではない」と語っていた。初来日した同監督に、筆者が直接インタビューした時(2003年)も、「今も僕の考えは変わっていない。世界のこともブラ

[2021.05]圷 滋夫【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター)  日本で “ブラジル映画” と言えば、まず『セントラル・ステーション』(98)や『シティ・オブ・ゴッド』(02)、または『蜘蛛女のキス』(85)、音楽好きならブラジルが世界に誇る巨匠たちのドキュメンタリー『ジョアン・ジルベルトを探して』(18)、『アントニオ・カルロス・ジョビン』(12)、『ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々』(05) や、カエターノ・ヴェローゾが音楽を担当し『黒いオルフェ』(59)のブラジル濃度を高めて

[2021.05]Willie Whopper【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●Willie Whopper 本エントリーは、5/26(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  ブラジル映画といえば近年も魅力的な作品が数多く上映されていますが、個人的には軍事政権下時代に表現の自由が抑圧された中で制作された作品に良作が多いように思います。MPBと同じく検閲に掛からないよう如何に表現するのか? そこに美学を感じます。ここではあくまで個人的なオススメ3作を紹介致します。これまた名作の『ガブリエラ』や日本人移

[2021.05]岡村 淳【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●岡村 淳  本エントリーは、5/26(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  ブラジル国内で公開される国産映画の数は、パンデミック前年の2019年で327本。南米最大の都市サンパウロで暮らしていても、その大半の公開も存在も知り得ない状況だ。ブラジル映画の特徴として、サンパウロやリオのような巨大都市に限らず、各地に大都市に勝るとも劣らぬ製作陣が揃っていることがある。地元の州政府や銀行のサポートを得て、仕上げは欧米で行なう作

[2021.05]宮沢和史【特集 私の好きなブラジル映画】

選・文●宮沢和史  自分が初めてブラジルに渡った27年前はブラジルの音楽家の過去の映像、例えば、ジョアン・ジルベルトと、トン・ジョビンとヴィニシウスの三人の共演の映像とか、エリス・レジーナのテレビ出演の映像とか、作品化されていないローカルな映像を様々なコネを使って入手し、宝物のようにして観て学んだものだが、今は世界中のどこにいてもあっという間に検索してたどり着けてしまう。さらに、現在は “ディスク” という概念から “サブスクリプション” へと移行しているのを見ても、物を持

映画『カリプソ・ローズ』を配給するseletor HEMO氏に訊く

文●花田勝暁(編集部)  今年4月27日に81才の誕生日を迎えた。80才を迎えてもなお第一線に立ち続ける女性カリプソ・シンガーのカリプソ・ローズ。近年の活躍もめざましく、2019年には世界最大級のアメリカの野外音楽フェスティバル、コーチェラ(COACHELLA)に出演を果たし、同フェスティバル史上最年長でパフォーマンス。パワフルなステージに異国の若者たちを驚かせ熱狂させた。  女性の権利の活動家でもあるカリプソ・ローズ。同フェスティバルでは、自身が受けてきた女性差別の経験か

[2021.05]映画評『ファーザー』『やすらぎの森』

『ファーザー』『やすらぎの森』  “認知症”を疑似体験するめくるめく映像の衝撃と  “老い”を巡る人生の機微と深淵に心を震わせる。 文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター) ※こちらの記事は、5/12からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  文明や医学が進みほとんどの物が金銭と引き換えに得られる(もちろん例外はある)現在、急激に高齢化が進行する社会の中でどんな大富豪でさえも避けて通れないのが “老い” の問題だ。これ迄の長い映