マガジンのカバー画像

Web版 2020年12月

26
2020年12月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額…
¥950
運営しているクリエイター

#音楽

[2020.12]12月11日はタンゴの日

文●編集部  毎年12月11日はタンゴの日。ブエノスアイレスはもちろん世界中で様々なイベントが予定されています。  まず、なぜこの日がタンゴの日かというと、タンゴを世界に広めた歴史的大歌手カルロス・ガルデルと、やはり歴史的指揮者兼バイオリン奏者フリオ・デ・カロの誕生日がこの日だから。アルゼンチンで盛り上がりを見せ、世界にもタンゴの団体が続々誕生しているのに、ブエノスアイレスにタンゴの日というのがないのは... ということで、作詞・作曲家協会(SADAIC)やアルゼンチン作

[2020.12]ナタリア・ラフォルカデ ─ 深化を続けるメキシコのSSW。この10年の活動を追う ─

文●志田朝美   2020年11月、第21回ラテングラミー賞の結果が発表された。  主要部門である「Album of the Year(最優秀アルバム賞)」含む計3部門にノミネートされ、その全部門で受賞という快挙を果たしたのは、ナタリア・ラフォルカデ(Natalia Lafourcade)だ。  ナタリアは、ハープシコーディストの父とピアニストの母を持ち、クラシックに影響を受けたソングライティングを軸に17歳で音楽活動をスタート。デビュー当初よりグラミー&ラテングラミー賞

[2020.12]【島々百景 第55回】チラデンチス / オウロ・プレト ブラジル ミナスジェライス州

文と写真●宮沢和史  12月4日現在、新型コロナウイルスに完成している人の数はNHKの特設サイト(米 ジョンズ・ホプキンス大学の発表をもとにしたデータ)によると、世界で65,220,557人、死者数は1,506,251人。最も感染者が多いアメリカ合衆国では、感染者数14,139,577人、死者数は276,325人、感染者数が1日で20万人に達することがあるようだが、この数字は日本の今日までの累積感染者数よりも5万人も多い…。桁が違う。ついでインド、ロシア、そして、ヨーロッパ

[2020.12]【TOKIKOの 地球曼荼羅⑤】音楽と共に生きるアフリカ

文●加藤登紀子 ①アルバム『Tokiko Sky ─ 蒼空』  ここに大切にしている1枚のアルバムがある。  私が2000年、南アフリカでレコーディングしたアルバム『Tokiko Sky ─蒼空』。  このアルバムの中心メンバー、ベーシストのシブシソ・ヴィクター・マソンド、キーボード奏者テンバ・ムキゼ、ドラムのアイザック・ムチャーリーは、日本にも何度も招き、コンサートツアーやレコーディングをした。本当に素晴らしい音楽家で、かけがえのない友人だ。  そのディテイルは、ゆっ

[2020.12]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」⑤】Adriana Calcanhotto 『Margem, finda a viagem』

文●中原 仁 Adriana Calcanhotto『Margem, finda a viagem』 ───── 中原仁の「勝手にライナーノーツ」───── 近年、日本盤の発売が減少し、日本における洋楽文化の特徴である解説(ライナーノーツ)を通じて、そのアルバムや楽曲や音楽家についての情報を得られる機会がめっきり減った。 また、盤を発売しない、サブスクリプションのみのリリースが増えたことで、音楽と容易に接することが出来る反面、情報の飢えはさらに進んでいる。 ならば、やって

[2020.12]宮沢和史【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】

選・文●宮沢和史  コロナ禍の第三波はこれまでの波の比ではないかもしれません…。台湾やシンガポールなどのように政府の努力、国民の協力の元、現被害を最小限に食い止めている国がある一方で、かなり早い段階でロックダウンしたにもかかわらず感染者数が増加し続けている国もあり、ロックダウンによって大幅に感染者数が減少したにも関わらず解除とともに急増している国もあります。世界最悪の被害を出しているアメリカ合衆国では新大統領に政権が速やかに移行しない限り、被害者数が増大の一途をたどることは

[2020.12]アルゼンチン音楽特集 コルドバ・シーンの今 (Vol.1)

文●宮本剛志  首都ブエノスアイレスから北西に約700km、国土の中央部に位置するアルゼンチン第2の都市コルドバ。アルゼンチンの音楽について語られる場合、ブエノスアイレスや、カルロス・アギーレやセバスティアン・マッキなどが活動する中北部パラナー、アカ・セカ・トリオやクリバスを輩出したブエノスアイレスにほど近いラ・プラタが日本では中心的に語られてきた。しかしロドリゴ・カラソやアシィなどを中心に、昨今のコルドバ・シーンはアルゼンチンの音楽を語る上では欠かせない存在になってきてい