文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU
コロナ禍により社会全体が全く先の見通せない状況の中、殆どの新作は公開予定が変更になる可能性があるが、ここでは3月末〜6月に公開予定で延期になった作品も含め、いつもより多く紹介しよう。3ヶ月分の中から厳選した作品なので、いずれも観応え充分の傑…
[2018.02]2本のドキュメンタリー映画『苦い銭』『サファリ』から読み解く、
決して交…
文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU
苦い銭
近々公開されるドキュメンタリー映画『苦い銭』と『サファリ』は全く真逆の世界を描きながら、鑑賞後には頭の中でディストピア感がモヤモヤと渦巻いて何とも言えない苦い思いが残るという点で表裏一体の作品だ。またその映画的手法にも共通するものがあ…
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[2020.04]映画レビュー:人生で最も“厄介な関係”にハマる。
この春観るべき“親と子の関係”を描いた3本の傑作映画。
『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』『コロンバス』『在りし日の歌』
文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU
全ての人間には必ず親が存在し、その関係は友人や恋人、夫婦とは違い、血縁という逃れられない繋がりによって死ぬまで付きまとう。…
[2020.03]『娘は戦場で生まれた』『プリズン・サークル』
『ビッグ・リトル・ファーム…
文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU
〝アラブの春〟の翌11年にシリアでも始まった民主化運動は、やがて軍事的な対立、そして内戦へと移行し、第二次大戦以降で最悪の人道危機と言われながら、今も全く先が見えない状況だ。『娘は戦場で生まれた』はそんなシリア内戦を背景に、第二の都市アレッポで…
[2020.02]9人の翻訳家 囚われたベストセラー
文●圷 滋夫 text by SHIGEO AKUTSU
世界的な大ベストセラーが約束された人気ミステリー小説のシリーズ完結編『デダリュス』。物語はこの新刊本の世界同時発売に向け、他の言語へ翻訳するために集められた9人の翻訳者を描写する場面から始まる。彼らは依頼者の出版社社長アングストロームによって…