- 運営しているクリエイター
記事一覧
新作 『Fazer e Cantar』をリリース ─ ヂアナ・オルタ・ポポフ(Diana HP) インタビュー ─ ミナス音楽を21世紀にアップデートする宝石のような才能
正統ミナス音楽を21世紀にアップデートする宝石のような才能、ヂアナ・オルタ・ポポフ(今作から欧文表記は“Diana HP”に)が、2018年の『Amor de Verdade』以来となる3rdアルバム『Fazer e Cantar』を完成させた。弊社が国内盤でリリースした(2022年8月29日発売)。 インタビュー・文 花田勝暁 今作は、2013年以来、ヂアナが生活と活動の拠点としているフランスで全編が録音された初めてのアルバムだ。ベーシストで、ヂアナの公私共のパート
[2022.8] 【連載アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉙】オリジナルは悲しく、英語版は明るく - 《Estrada branca》
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ボサノヴァの皮切りとも位置付けられるエリゼッチ・カルドーゾのアルバム『Canção do amor demais』は、収録曲の中でも飛び抜けて象徴的存在となった名曲「Chega de saudade」(この連載26回目)だけでなく、25回目でご紹介したヒット曲「Outra vez(またしても)」など、全曲ジョビンの作曲かつヴィニシウス・ジ・モラエスの作詞による作品で占められ、
[2022.8] 【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉛】 無念にも先立っていった人への慕情 - 《Pedaço de mim》(私のひとかけら)
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura シコが作った演劇『ならず者のオペラ(Ópera de malandro)』の中で歌われる1曲に、とても物悲しい歌があります。息子が軍政時代に罪もなく捕えられ、帰らぬ人となった、ズズ・アンジェルという実在の女性のことを思い書いた「Angelica」という作品(この連載の27回目の中で、ご紹介しました。)と並び、失われた尊い命への慕情を重く表現する1曲を、劇中に仕込んだものです。
[2022.8]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2022年8月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】
e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Kobo Town · Carnival of the Ghostsレーベル:Stonetree [16] 19位 Amélia Muge · Améliasレーベル:Uguru [8] 18位
[2022.8]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉕】 Beatriz Azevedo & Moreno Veloso『Clarice Clarão』
文:中原 仁 “閃光(きらめき)クラリッシ”。そう訳せば良いだろうか。『Clarice Clarão』は、ベアトリス・アゼヴェドとモレーノ・ヴェローゾが組んで、ブラジル文学を代表する作家、クラリッシ・リスペクトル(1920~1977。日本ではクラリッセ・リスペクトルと表記されることが多い)に捧げたアルバムだ。 ベアトリス・アゼヴェドはサンパウロ生まれ。大学で演劇を学び、1992年、オズヴァルド・ヂ・アンドラーヂとマリオ・ヂ・アンドラーヂが主導して1922年に開催しブラ
[2022.8] 【映画評】 『彼女のいない部屋』『みんなのヴァカンス』⎯⎯ フランスが世界に誇る二人の監督の最高傑作! 小粋で真逆な愛の物語に酔い痴れる。
『彼女のいない部屋』『みんなのヴァカンス』 フランスが世界に誇る二人の監督の最高傑作! 小粋で真逆な愛の物語に酔い痴れる。 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) 映画が好きで観続けている理由は単純だ。脚本の面白さ、画作りの美しさ、俳優の素晴らしさ、描かれたテーマへの共感、そして語り口の斬新さ等々、心揺さぶられる新たな表現に出会いたい、という思いからだ。もちろん良い映画は、それら多くの要素が高い次元でバランスよく結び付いているものだが、その中でも特に斬新な語り口を持った作
[2022.8]【アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉘】 眼と眼が合えば - 《Pela luz dos olhs meus》
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ジョビンが、女性歌手ミウーシャ(シコ・ブアルキの姉。ジョアン・ジルベルトの妻でもあった)とのデュエットで「結婚しなきゃ、結婚しなきゃ」と繰り返しながら笑顔で締めくくる名曲、「Pela luz dos olhos teus(君のまなざしの輝きに)」。この歌が、カネカン劇場のライブなどで喝采を浴びたのは、ミウーシャとジョビンの名アルバムが出された1977年のことでした。お茶目さた