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Web版 2022年12月

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#ブラジル音楽

[2022.12]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㊲】規制されたが、体制批判が理由ではなかった歌 — Partido alto

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  シコ・ブアルキは、軍政を批判する作品の数々を当局から規制されましたが、中には、政治批判を狙った曲であったにもかかわらず、異なる理由で禁止を言い渡されたこともあったようです。今回は、そのような例として、シコが1972年に出したPartido altoという曲をご紹介します。  60~70年代に急速に進んだ開発の中で、昔からのブラジルの風景が変わり果てていく様を描いた「Bye

[2022.12]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉙】 Roberta Sá 『Sambasá』

文:中原 仁  ホベルタ・サーが12月19日、42歳のバースデーを迎えたと知り、そうか彼女も40代か、、と思わず遠くを見つめてしまったが、デビュー・アルバム『Braseilo』を発表したのが2005年。時の経過は早い。    これまで、ほとんどのアルバムが「ブラジル・ディスク大賞」にランクインし、日本での人気も安定しているホベルタ・サー。前作『Giro』(2019年ブラジル・ディスク大賞一般7位、関係者5位)はジルベルト・ジルの作品集(ジルとホベルタの共作を含む)で、育った

[2022.12]【アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉝】山頂のキリスト像を見上げて - Corcovado

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  リオで暮らしていると、様々な地点から、急斜面の頂上で両手を広げて街を見下ろすキリスト像の姿を目にすることができます。このコルコヴァードと呼ばれる山は、夜間ライトアップされる姿がまた幻想的。観光で頂上まで登れば、コパカバーナやイパネマといった美しい海岸のほか、ぐるりとグアナバラ湾全体を一望。マラカナン・スタジアムのある旧市街、南に伸びる高級住宅街など、360度の絶景を味わうこと