見出し画像

[2024.10]ブラジルを代表するクラシック音楽の新世代ピアニスト、クリスティアン・ブドゥ〜11月に初来日ツアーを実施!

文●編集部

 クラシック音楽の新世代のビッグネームの一員としてブラジルを代表するピアニスト、クリスティアン・ブドゥが11月に初めての来日ツアーを実施する。

©Daniel Ebendinger

 2013年スイスで行われた第25回クララ・ハスキル国際ピアノコンクールでブラジル人として初めて優勝し、さらに聴衆賞を含む二つの特別賞を受賞した。専門メディアからも過去30年間で最大の快挙だと評価され、2021年に77歳で亡くなったピアニスト、ネルソン・フレイレも生前最後のインタビューで「ブドゥが自分の後継者になるだろう」と語っていた。

 2016年にソロデビューアルバムをリリース。アルバムは、イギリスで「エディターズ・チョイス」(Editor‘s Choice)、フランスで「5ディアパゾン賞」(5-Diapasons)と高く評価された。また、ロンドンのクラシック音楽誌グラモフォン誌の「最近のベートーベン録音トップ10」(Top 10 Recent Beethoven Recordings)、「ショパン録音トップ10」(Top 10 Chopin Recordings)にも選出された。同じくグラモフォン誌の「ショパンのベスト・レコーディング50」(Top 50 Greatest Chopin Recordings)においても、ネルソン・フレイレと共に最上級の50曲に選出された。このリストは、これまでのショパンの最も顕著な演奏のみを選考したもので、彼の演奏が高く評価されていることが証明された。

 両親がルーマニア人でブラジルへと移住。サンパウロにあるサン・カエターノ・ド・スル芸術財団に通い音楽の勉強をはじめた。幼少期には、音楽指導者の吉田輝男がサンパウロで設立した「エコ児童合唱団」にも所属し、いくつかのオペラ公演に参加。
 10代の頃には、ブリンカンテ音楽院でブラジルのダンスとリズムのレッスンを受け、へシーフェ出身のマルチアーティスト、アントニオ・ノブレガとも共演経験がある。
 その後、サンパウロ大学で音楽の学位を取得し、アメリカに留学。ボストンのニューイングランド音楽院から特別奨学金を得て、ワー・キョンビョン(Wha Kyung Byun)の指導のもとピアノの修士号を取得した。2014年には、同校のアーティスト・ディプロマ(全額奨学金とスポンサーシップに加え、1年に1人だけアメリカでソロ、室内楽、オーケストラのコンサートを数回開くことができる、アメリカの音楽院で最も権威のあるもの)に合格。
 在学中からソロや室内楽、オーケストラでの演奏活動を始め、エドゥアルド・モンテイロ、、エルサ・クレバノフスキー(ヴィルヘルム・ケンプの弟子)、マリーナ・ブランダン、クラウディオ・テッグといった名だたる音楽家に師事。また、ボストンではショーロのグループにも参加し演奏活動も行っていた。

©Daniel Ebendinger

 ブラジル国内での活動にとどまらず、アメリカやヨーロッパにも舞台を広げ、近年では、フランスのヴァイオリニスト、ルノー・カプソン(Renaud Capuçon)や、ブラジルのチェロ奏者で惜しくも今年8月に亡くなったアントニオ・メネセス(Antonio Meneses)などのソリストらとのデュオ、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のメンバーの室内楽、ローザンヌ室内管弦楽団との共演を果たしている。また、ヴェルビエ音楽祭やラ・ロケ・ダンセロン国際ピアノ音楽祭などにも招待され、活動の幅を広げている。 


©Lucca Mezzacappa

 そんなクリスティアン・ブドゥが、今回初めて日本でツアーを行う。シューマンやドビュッシーといった著名な作曲家の作品に加え、カマルゴ・グァルニエリやエイトール・ヴィラ=ロボスなど偉大なブラジル作曲家の作品も盛り込んだ特別なプログラムを演奏する予定。

プログラム(予定)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ:幻想曲ハ長調 H. 284
ロベルト・シューマン:アラベスク Op. 18
ロベルト・シューマン:クライスレリアーナ Op. 16
クロード・ドビュッシー:版画 第1曲「塔」、第2曲「グラナダの夕べ」、第3曲「雨の庭」

カマルゴ・グァルニエリ:ポンテイオス (Ponteios) 第45番、第40番、第30番&第49番
エイトール・ヴィラ=ロボス:ブラジルの詩 (Ciclo Brasileiro) (抜粋)、吟遊詩人の印象 (Impressões Seresteiras)、奥地の祭り (Festa no Sertão)

 近年の物価の高騰でコンサートチケットも高くなりつつあるが、本公演はお手頃な価格となっている。しかも学割まで設けてあるのが素晴らしい!
良質な演奏を身近で聴けるいいチャンス!みんなで美しい音楽を体験しましょう!

クリスティアン・ブドゥ ピアノ・リサイタル JAPAN TOUR 2024

名古屋公演
2024年11月7日(木)19:00開演(18:30開場)
会場:電気文化会館 ザ・コンサートホール(愛知県)
料金:一般 4,000円(税込)18歳以下 2,000円(税込)
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4119770001-P0030002

◆東京公演
2024年11月15日(金)19:00開演(18:30開場)
会場:銀座 王子ホール(東京)
料金:一般 5,000円(税込)18歳以下 3,000円(税込)
チケット:https://eplus.jp/sf/detail/4119770001-P0030001

◆大阪公演
2024年11月30日(土)14:00開演(13:30開場)
会場:富田林市すばるホール(大阪府)
料金:一般 3,000円(税込)18歳以下 1,000円(税込)

★主催者ホームページはこちら↓

(ラティーナ2024年10月)






ここから先は

0字

このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…