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[2025.2]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 54】 BaianaSystem 『O Mundo Dá Voltas』
文:中原 仁
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バイーアのバンドと言っても、アシェーではない。近年グッと盛り上がってきた、カンドンブレをルーツとするアフロ・ブラジル音楽のアンサンブルともちょっと違う。肉体性とテクノロジーを絶妙なバランスで配合、例えは古いがワールドビートのマインドを備えたバンドが、バイアーナシステムだ。
駆け足で歩みをたどっていこう。主にギターハ・バイアーナを演奏するホベルト・バヘット、ヴォーカルのフッソ・パッサプッソを中心に2009年、バイーア州都サルヴァドールで結成。2010年、ファースト・アルバムを発表。ギターハ・バイアーナとレゲエ/ダブやヒップホップをミックスした、エッジの利いたストリートビートが斬新だったが、硬派のイメージもあり、当時は地元でもオルタナティヴな存在だった。
早い時期から海外展開に照準を合わせ、積極的に欧米で公演。VJが同行し音楽と映像がクロスするステージが話題となり、2013年に初来日。フジロックに出演、東京でもライヴを行なった。2016年のアルバム『Duas Cidades』がヒットし、2017年、サルヴァドールのカーニヴァルで遂に大ブレイク。2019年のアルバム『O Futuro Não Demora』で、ギターハ・バイアーナを軸とする直線的なサウンドから、様々な要素を取り込んだ重層的なサウンドへと進化した。続くディープな『OXEAXEEXU』(2021年)を経て、2025年1月にデジタル・リリースした最新作が “世界は回る” と題する『O Mundo Dá Voltas』だ。
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