[2021.06]「ラ米乱反射」電子版 第9回 キューバ「革命体制」に変化求める国内世論|新指導部に試練の経済建設
「ラ米乱反射」電子版 第9回
キューバ
「革命体制」に変化求める国内世論
新指導部に試練の経済建設
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文●伊高浩昭(ジャーナリスト)
カリブ海の社会主義国キューバ(略号「玖」)が、東西冷戦終結後2度目の重大な危機に直面している。国民の多くが複合的な要因により「革命体制」に絶望しており、共産党1党支配体制は弥縫策以外に打つ手がない。国民、とりわけ不満派の塊である若い世代の反逆的姿勢は日々顕著になっている。
▼キューバ共産党
フィデル・カストロ弁護士が指揮したキューバ革命は1956年12月2日に始まり、25カ月後の59年元日に終わった。バティスタ独裁政権打倒と、同政権を支えていた米国からの自立を大まかな目的にしていた民族主義革命だった。
フィデル・カストロ、革命勝利のあとのパレードにて
だが米国に敵対され、61年1月、アイゼンハワー政権の米国から断交された。次のケネディ政権は前政権との約束を守って61年4月17~19日、カストロ政権の打倒を謀り、キューバ島カリブ海側のコチーノス(豚)湾ヒロン浜に反革命キューバ人約1500人の傭兵部隊を上陸させた。
これに先立ち、CIA機を使ってキューバ各地を爆撃、多大な損害を及ぼした。怒ったカストロは4月16日、進行中の革命を「社会主義革命」と宣言。17日に上陸した侵攻部隊を3日間で撃破した。革命軍が間接的ながら、米国に軍事的に勝ったのだった。面子を失ったケネディは62年、全面的経済封鎖で応じた。
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