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[2025.1]2024年ブラジルディスク大賞 関係者投票②

※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)


●島田愛加

音楽家/文化ライター
2014年よりサンパウロ在住。同州立タトゥイ音楽院MPB/Jazz学科卒業。
社会背景を含めたブラジル音楽研究が大好き。
https://note.com/aika_shimada

R&Bにブラジル色が濃くなったリニケル①は国内でも最高評価!他にもジョタペ⑨やエラズモ追悼③の参加アーティストなど新世代の人気が安定してきた印象です。リスト外選出のブラズー⑤は室内楽+エレキギター編成でインスト好きは必聴。20年活動しているバイーアの打楽器集団の初録音②やグラミー受賞の⑦を発表したホシナンチレーベルには来年も注目です!アニッタ⑧は歌詞はさておき初期ファンキの良さを生かして国際的に評価された重要な1枚。

 1. Liniker / Caju

 2. Aguidavi do Jêje / Aguidavi do Jêje

 3. Erasmo Carlos / Erasmo Estives

 4. Dori Caymmi / Prosa & Papo

 5. Brazú Quintê / Divinare

 6. アマーロ・フレイタス / イーエーイーエー

 7. Hermeto Pascoal / Pra Você, Ilza

 8. Anitta / Funk Generation

 9. Jota.Pê / Se o Meu Peito Fosse o Mundo

 10. Guinga & Ana Paes / Julieta no Convés

●宿口 豪

Bar Blen blen blen 店主
音楽&サッカー好きが集う渋谷のブラジリアン・バールです。

新譜は主に当地のラジオやSportifyで楽しんでいます。今年もブラジルに行っていたこともあってか、現地で好まれているピザジーニャやパゴーヂを相変わらずよく聴いていましたが、このランキング作成にあたり、日本で好まれている耳障りの良い&内省的な音楽にも改めて耳を傾けた上で、それぞれのジャンルから“アルバム通して好き”と思った作品を均等に選び、並べてみました。結果カオスに。恐るべし、ブラジル。

 1. Erasmo Carlos / Erasmo Estives

 2. Dilsinho / Diferentão 2 (Ao vivo)

 3. Léo Foguete / Obrigado Deus

 4. ドラ・モレレンバウム / ピーキ

 5. Pixote / Pixote (Acústico)

 6. Henry Freitas / Toca que eu quero ouvir

 7. ブルーノ・ベルリ / ノ・ヘイノ・ドス・アフェートス2

 8. Atitude 67 / Fazendo Arte

 9. Grupo Menos é Mais / Virado no Pagode (Ao vivo)

 10. Agnes Nunes / O amor e suas variáveis


●高橋健太郎

音楽評論家、音楽プロデューサー、レーベル&スタジオMemory Lab主宰。著書に『ヘッドフォン・ガール』(2015)、『スタジオの音が聴こえる』(2014)、『ポップミュージックのゆくえ』(2010)

(総評)

1. Nicolas Geraldi / Em Outro Lugar do Ceu

2. Luiza Brina / Prece

3. Rubel / AS PALAVRAS, VOL.1 & 2

4. Melly / Amarissima

5. ドラ・モレレンバウム / ピーキ

6. Irmão Victor / Micro-Usina

7. Bernardo Zen / Tudo É Sinal

8. Gustavo Galo / Fruto

9. Guinu / Oxalatrix

10. Thiago Thome / Encantado Samba

(確認です。アルバムもありますが、EPの方でよろしいでしょうか?タイトルがちょっと違います)

●谷口 洋

会社員
地べた目線のブラジルウォッチャー。AIでピッタリの作品を出してもらうことはできませんが、人となりや背景、制作経緯、本人の弁まで幅広く調べることは爆速に。いい時代になりました。

スローバックの流れにぐっと熟成感が増した印象。ソウル/R&B/ヒップホップに秀作が多いなか、クリスタウのチン・マイア、サンドラ・ヂ・サーらに触発されたデビュー作は圧巻。ジャジーで煌びやかなデラクルスや、ブラジルとの融解具合が絶妙なタッシア、メリー、オス・ガロチンらも目立った。他ではイザらへの楽曲提供で知られるキング・セインツの超ポップに社会の歪みを皮肉った作品や、ベン・ジルの妻マイアナが2人の偉大なJGを掛け合わせて生んだ「ピサ・ノヴァ」の雷に打たれた。

 1. Cristal / Epifania

 2. Delacruz / Vinho

 3. Tassia Reis / Topo da Minha Cabeça

 4. Melly/ Amaríssima

 5. King Saints / Se Eu Fosse Uma Garota Branca

 6. Mãeana / Mãeana Canta JG

 7. Os Garotin / Os Garotin de São Gonçalo

 8. Malu Magri / Morrendo de Prazer

 9. Zé Manoel / Coral

10. Sabotage / Sabotage 50

●田方春樹(lessthanpanda)

IT業界人/週末ギタリスト。大手メディアでは取り上げられない世界中の優れた音楽を紹介する情報サイト「Música Terra(ムジカテーハ)」を主宰。

今年は個人的には爆発的な1枚はなかったが、平均レベルが高く大豊作でした。ベテラン二人がピアノと声で圧倒的な表現力を見せつけた①がとても好き。
新世代のアーティストが伝統音楽や過去のMPBをリスペクトしながら新しい価値観で作り上げた作品も素晴らしいものが多く、特に②ジョタ・ペー、⑦ナンナ・ミラーノはこれからの活動も楽しみ。ブラジル音楽を主要な音楽性とする多国籍バンドの④、⑤も楽しいのでぜひ聴いてみて!

 1. Maria João & André Mehmari / Algodão

 2. Jota.pê / Se o Meu Peito Fosse o Mundo

 3. Pietá / Nasci no Brasil

 4. Čao Laru / Minas

 5. Ayom / Sa​.​Li​.​Va

 6. Raphael Gimenes / DINAMARCA

 7. Nanná Millano / Can’t Translate Saudade

 8. Benziê / Entre

 9. Matu Miranda / Matutando

10. Mariana Aydar & Mestrinho / Mariana e Mestrinho

(ラティーナ2025年1月)



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