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[2022.4]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑳】妖女の魅力を引き立てる主題歌 - 《Tema de amor de Gabriela》

文と訳詞●中村 安志 Texto e Tradução por Yasushi Nakamura

 ボサノヴァで世界に名が広まったジョビンも、実は、別なスタイルの音楽をたくさん生み出していることについて、最近の記事で何度かご紹介してきました。

 例えば、時にジョビンは、ブラジルの地元色たっぷりのTVドラマや映画のための素敵な音楽を残しています。今回は、ブルーノ・バヘット監督が1983年に制作した映画『ガブリエラ、クローブとシナモン』のテーマ曲として、ジョビンが作詞作曲した「Tema de amor de Gabriela(ガブリエラの愛のテーマ)」をお届けします。

 ボサノヴァが生まれたリオから、海岸線に沿って1600kmも北にある暑いバイーア地方は、ポルトガル人が最初に入植し、植民地の首都とした地域。リオや南部で長く過ごすことになった私のまだ日本での学生時代、ブラジルの魅力を早くから語ってくれた大切な友人の故郷でもあります。一般によく知られるジョビンの音楽とは異なる世界を、お楽しみください。

⬆ジョビンとガル・コスタが歌う「ガブリエラの愛のテーマ」

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