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[2020.12]中村安志【特集 私が選ぶラテンアメリカの本】

選・文●中村安志

 遠いラテンアメリカですが、ラティーナ誌イベントでの意欲的な解説や、日本で読めるいい文献も増えました。現地文献が読めると、なお一層楽しめますが、第三国の書物にも啓発されるものが多々あります。
 例えばブラジルについては、フランスで書かれた書籍・資料に有益なものが多いことに驚かされます。言葉が近いことも関係するでしょうが、昔のレヴィ・ストロースなどをはじめ、フランス側の才能ある人が多数、ブラジルに大いに傾倒していることも大きいでしょう。
 今回ご紹介した小説「ブラジルの赤」も、実際リオに艦隊を派遣した歴史から描き出し、突っ込みのある物語に仕上がっています。音楽でも、ブラジル側のヴィラ・ロボスはパリに渡って学んでいました。最近惜しまれ逝去したフランスのギタリスト&作曲家のロラン・ディアンスは、ブラジル的サウンドを鋭く表現。私は、演奏だけでなく、彼が残した譜面をも読み耽けってしまうこの頃です。

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