見出し画像

[2021.02]映画『すばらしき世界』

文●圷 滋夫   text by SHIGEO AKUTSU

すばらしき世界_サブ7

林正樹インタビュー


様々なジャンルでマルチな活躍を見せるピアニスト、
林正樹が西川美和監督の最新作『すばらしき世界』で
初めて映画音楽を手掛け、そこから見えてきたものを語った。

 林正樹は、椎名林檎から渡辺貞夫、菊地成孔、小野リサ、川井郁子、つまりJ-POPからジャズ、ブラジル音楽にクラシックまで、様々なジャンルの名だたる音楽家から指名を受け、ライブのサポート・メンバーやレコーディングで八面六臂の活躍を見せるピアニストだ。さらに自身がリーダーのプロジェクトでは、ジャズを基盤にしながらソロ、デュオ、グループと多角的なアプローチによって全く独自の音世界を追求している。
 その凛とした透明感を湛えながら優しく琴線に触れる繊細な音は、聴く者に映像を喚起し様々なイメージが膨らんでゆく。そのため以前より林正樹が音楽を手掛ける映画を観たいと切望していたのだが、その想いが西川美和監督の新作『すばらしき世界』で遂に実現した。

—— 今回の話が実現した経緯を教えて下さい。 

 本作の音楽プロデューサーを務めているのが、主にCM音楽の制作をしている福島節さんという方で、僕はCMの仕事をご一緒した関係で福島さんから声を掛けていただきました。以前福島さんが西川監督とやはりCMの仕事をした時に、監督の結構な無茶ぶりに何とか応えて気に入って貰ったみたいなんですが、そんな監督の要望には決まった工程できっちり仕事を進めるタイプよりも、柔軟に対応出来るタイプがいいのと、監督が細かいニュアンスにも拘るので、演奏も出来る作曲家がいいと考える中で、僕の事を思い出してくれたみたいです。

この続きをみるには

この続き: 5,424文字 / 画像8枚
この記事が含まれているマガジンを購入・購読する

2021年2月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには…

このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てアクセスできます。「ラティーナ」の過去のアーカイブにもアクセス可能です。現在、2017年から2020年までの3.5年分のアーカイブのアップが完了しています。

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活…

「スキ」、ありがとうございます! ¡Gracias!
22
広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に。あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために情報を発信します。 月額900円のデジタル定期購読で、新規記事もアーカイブも読み放題! (※アーカイブは増減する場合があります)