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記事一覧
[2021.02]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ⑦】レモングラスとレモン ―甘い香りを思い出してポーンペイ島で待ち続けた女性のうた―
文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授) 前号(2021年1月号)では、チューク環礁の高校生が20年くらい前に作った ≪Cry≫(別称≪50 plus 1≫)という歌をご紹介しました。さわやかな長調のメロディ、C-A-F-Gのコード(I-Ⅵ-Ⅳ-Ⅴ)をレゲエのリズムで刻んだ曲です。素朴な歌詞をよく読むと、クラスメート51人の1人が夏休みを境に去ったというニュースを知って、「僕は赤ん坊を亡くした母のように、彼女を失った男の子のように泣き叫び始めた」「何で君はさよならって言った
[2021.02]『春江水暖〜しゅんこうすいだん』新人監督、驚異のデビュー作は 今年のベスト10確実の三代にわたる家族の物語。
文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター) “春江水暖” とは「春に河の水が暖かくなる」という意味で、このタイトルからも、本作の影の主人公は舞台となった中国の杭州市富陽区に流れる大河、富春江だと言いたくなる。なぜなら映画の序盤では富春江の説明が入り、終盤には富春江の歌が朗々と歌われ、最後のカットもロングショットで捉えた富春江の姿だ。そして何より一年を通した物語の中で、季節が巡るごとにゆったりと流れる富春江の川面が映し出され、そこにはその季節を表す花鳥風月が添えられ強
【チック・コリア追悼】[1980.12]パコ・デ・ルシアがスパニッシュ・フュージョンに火をつけた −マイルス・デイビスが、チック・コリアが、アル・ディ・メオラがスペインから吸収している音とはいったい何だ!−
文●池上比沙之 巨匠チック・コリアが2021年2月9日、癌のために79歳で亡くなりました。 パコ・デ・ルシアも2014年、滞在先のメキシコで亡くなっています。 チックまで失った今、二人の偉業を再確認するために....以下の記事は、中南米音楽1980年12月号に掲載されたものをそのまま再掲載しています。 8年ぶりにフラメンコ・ギタリスト、パコ・デ・ルシアが来日することになっている。前回の日本公演は、フラメンコという伝統スタイルにおけるパコの天才的なスケールを誇示するものだ