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#ラティーナ2022年10月
[2022.10]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ㉗】 移住と「ふるさと」の音楽と踊りの往来と発展 ―沖縄の『浜千鳥』と『南洋浜千鳥』を中心に―
文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授) 「旅」は、住む土地を離れて一時的に他の土地へ行くこと。一方、「移住」といえば「一時的」という印象が弱くなり、政治や宗教、経済上の要因で生活の場を変えることを指します。移住するには、「生きる」ための決断を伴うともいえましょう。 太平洋諸島の文化と暮らしは、人々の移住があってこそ成り立ったといえます。まず、1500年前にアジアから人類が到達したことで、太平洋諸島に音楽や踊りの種がもたらされ、芽生え、育まれました。その後、自然災害、出
[2022.10]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉞】ブラジルを代表する料理を囲んで — Feijoada completa
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ブラジルに馴染みのある方が必ず思い浮かべる代表的料理といえば、豚の臓物や干し肉などと黒豆をじっくり煮込んだフェイジョアーダ (feijoada)でしょう。ホームパーティーに招かれた土曜の昼下がり、皆で食べ始めたはいいものの、美味さにつられてすっかり重くなったお腹を抱え、ハンモックで昼寝させてもらい、気づいたら日が暮れていたことがありました。ずっしりときますが、大鍋とおつまみを
[2022.10]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2022年10月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】
e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Catrin Finch & Seckou Keita · Echoレーベル:Bendigedig [18] 19位 Fanfara Station · Boussadiaレーベル:Garrinc
[2022.10] 【連載アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉛】盟友に頼らずとも見事なジョビンの歌詞 - Luiza
文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura この連載の23回目の記事では、TVドラマ用にジョビンに委嘱された名曲Anos dourados(黄金の年月)のため、シコ・ブアルキに託された歌詞が、シコのあれほどの才能にもかかわらず、ドラマ放映開始に間に合わなかったというお話をご紹介しました。また、連載5回目でご紹介した有名な曲Waveについても、最初は歌詞のない状態で推移し、途中でシコ・ブアルキにジョビンが歌詞制作を依頼し
[2022.10] 【映画評】 『アフター・ヤン』 ⎯⎯ 理知的でありながらエモーショナルでスピリチュアル、 そして社会的な視点も持った唯一無二のSFヒューマンドラマ
『アフター・ヤン』 理知的でありながらエモーショナルでスピリチュアル、 そして社会的な視点も持った唯一無二のSFヒューマンドラマ 文●圷滋夫(映画・音楽ライター) 映画の冒頭、白人男性と黒人女性、アジア系の少女の3人が記念写真を撮っている。そしてアジア系の青年がタイマーでシャッターをセットし、3人に加わる。少女は青年を「お兄ちゃん」と呼び4人はとても仲の良い家族のように見えて、その光景に惹きつけられるが、その反面、人種的にも醸し出す空気にも微かな違和感があ
[2022.10]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉗】 João Cavalcanti 『Ivone Rara 100 Anos da Dona do Samba』
文:中原 仁 ジョアン・カヴァルカンチ(1980年、リオ生まれ)は、レニーニの息子。リオのラパ地区のライヴハウスから羽ばたいた21世紀サンバ新世代のアイコンとなるグループ、カズアリーナ(Casuarina)の中心メンバーとして人気を確立した。 ラパ新世代の盟友、ペドロ・ミランダ、モイゼイス・マルケス、アルフレッド・デル・ペーニョとのプロジェクト、セグンダ・ラパでも活動。2012年、サンバだけなくポストモダンなMPBにシフトした、シンガー・ソングライターとしてのファース