マガジンのカバー画像

世界の音楽情報誌「ラティーナ」

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために、これか… もっと読む
このマガジンを購読すると、世界の音楽情報誌「ラティーナ」が新たに発信する特集記事や連載記事に全てア… もっと詳しく
¥900 / 月
運営しているクリエイター

#グローバルミュージック

[2023.9] 「シコと再会しよう」 ─ 1997年以来、26年ぶり2度目の来日。シコ・セーザルの待望の再来日公演、迫る

文:編集部  記憶も新しい。2023年4月から5月にサリフ・ケイタ、ルカス・サンタナを突如、招聘しワールドミュージック(グローバルミュージック)ファンをざわつかせ喜ばせた「KYOTOPHONIE ボーダレス・ミュージックフェスティバル」。  同ミュージックフェスティバルが、この秋、今度は、ブラジルから2人の才能、シコ・セーザルとルエジ・ルナを招聘する。  10月7日(土)・8日(日)の2日間開催される今秋の『KYOTOPHONIE』は、今度は、京都市内から、日本三景の一つで

[2023.9] 祝! ルエジ・ルナ初来日 ─ 「アフロ・ブラジリアンの宝石」と讃えられる歌姫

文:編集部  記憶も新しい。2023年4月から5月にサリフ・ケイタ、ルカス・サンタナを突如、招聘しワールドミュージック(グローバルミュージック)ファンをざわつかせ喜ばせた「KYOTOPHONIE ボーダレス・ミュージックフェスティバル」。  同ミュージックフェスティバルが、この秋、今度は、ブラジルから2人の才能、シコ・セーザルとルエジ・ルナを招聘する。  10月7日(土)・8日(日)の2日間開催される今秋の『KYOTOPHONIE』は、今度は、京都市内から、日本三景の一つで

「アストラッドは星になり、ジョアン・ジルベルトの隣にいます」 ─ アストラッド・ジルベルトが他界

 「イパネマの娘」の声となった歌手のアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)が、6月5日(月)夜に、他界しました。83歳でした。  彼女の孫娘、歌うのが好きなソフィア・ジルベルト(Sofia Gilberto)が、Instagramで発表しました。  今のところ、死因や亡くなった場所などは、明らかになっていません。  度々、来日公演を行なっており、「ボサノヴァの女王」と称されてきました。  日本語での録音もありました。これは、渡辺貞夫の曲を日本語で歌って

【追悼】ヒタ・リー(Rita Lee)、革新的にブラジル音楽シーンを先取りした「ロックの女王」

文:ラティーナ編集部  ブラジルの「元祖ポップ・ロック・クイーン」「ロックの女王」、ヒタ・リー(Rita Lee)が、5月8日夜に肺癌のために亡くなり、9日に公表されました。75才でした。2021年に肺癌と診断され、その後、治療を続けていました。  訃報は、家族によって、SNSで公表されました。最期は、サンパウロ市の自宅で、家族の見守る中、息を引き取りました。  ヒタ・リーは、夫のホベルト・ヂ・カルヴァーリョ(Roberto de Carvalho)と3人の息子(ベト[

[2023.3] 訃報|芸術性の高さで知られるブラジルのギタリスト、テオ・ヂ・バーホス(Theo de Barros)逝く

 その芸術性の高さで知られるリオ出身の作曲家、ギタリスト、アレンジャー、歌手のテオ・ヂ・バーホス(Theo de Barros|本名 Theofilo Augusto de Barros Neto)が、3月15日に、住んでいたサンパウロで亡くなりました。80歳の誕生日から5日後のことでした。死因は明らかになっていません。テオの息子で、テオと同じくギタリストとして活動し、近年の共作者でもあったヒカルド・バホス(Ricardo Barros)がSNSで公表しました。  来たる4

[2023.1]Best Albums 2022 ①

2022年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

[2023.1]Best Albums 2022 ②

2022年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

[2023.1]Best Albums 2022 ③

2022年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)

[2022.9]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㉖】 Carlos Malta e Pife Muderno em GIL『Suíte Viramundo』

文:中原 仁  マルチ・リード奏者、カルロス・マルタが率いる “笛と太鼓のバンド”、カルロス・マルタ&ピフィ・ムデルノの『Carlos Malta e Pife Muderno em GIL』。80歳を迎えたジルベルト・ジルの名曲を約40曲、アルバム4作品にまたがって演奏する壮大なプロジェクトだ。8月上旬に第1弾『Suíte Viramundo』が、9月上旬に第2弾『Suíte Tempo Rei』がデジタル・リリースされ、10月に『Suíte Primazia』、11月に

[2022.9] 【連載シコ・ブアルキの作品との出会い㉝】希望が見え始めた時代 - 《Fantasia》

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura  権力を批判する歌を多く書いたことで知られるシコ・ブアルキですが、彼が、厳しかった抑圧時代の辛さとその先に見え始めた希望を、権力との対抗を直接示さない形で表現した、「Fantasia(幻想)」という、少し角度の異なる作品があります。この歌は、1979年に上演された男性4人組コーラスのMPB-4のライブ・コンサート「いい天気、そうだよね」(Bons tempos, hein?!)

[2022.9] ドリ・カイミ & モニカ・サウマーゾ インタビュー後編 「ブラジルへの愛の宣言」

  アルバム『Canto Sedutor』をリリースしたばかりの作曲家ドリ・カイミ(Dori Caymmi)と歌手のモニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)へのインタビューの後編です。アルバムのサウンドの構築やテコ・カルドーゾ(Teco Cardoso)のプロデュースについて、このアルバムでの挑戦についてを語ってくれました。 文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz) ▼ ── アルバム収録曲の編曲はどうでしたか? ドリ・カイミ まず私が全部編曲を書いて、

[2022.9] チン・ベルナルデス (TIM BERNARDES) インタビュー ⎯⎯ チン・ベルナルデスのコントラスト(前) ⎯⎯

 チン・ベルナルデスのコントラスト (Os contrastes de Tim Bernardes)  サンパウロ出身のシンガーソングライターは、 2枚目のソロアルバム『Mil coisas invisíveis』で MPB新世代を代表するアーティストとしての 地位を確立した。 ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz|サンパウロ在住、ブラジル人音楽ジャーナリスト)  グループ「オ・テルノ(O Terno)」でデビューして以来、注目を集めてきた

[2022.9]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い㉚】 子供たちに歌わせても、大丈夫? ─ 《Pra mode chatear》

文と訳詞●中村 安志 texto e traduão por Yasushi Nakamura  ジョビンの作品は、もともと学んだクラシックの作曲の延長として試みた作品(主に初期)、ブラジルの50年代の歌謡曲に沿った伝統的スタイルのラブソングの部類のほかに、ボサノヴァと呼ばれるようになった斬新なリズムと和声が響く作品群の中だけでみても、しっとりと慕情を語る歌、悲しい歌、人間の虚栄心に対する皮肉を込めた歌など、様々な世界を描く作品に分かれていますが、わかりやすい子供向けの歌を

[2022.9] ドリ・カイミ & モニカ・サウマーゾ インタビュー前編 「ブラジルへの愛の宣言」

文:ヂエゴ・ムニス(Diego Muniz)  ドリ・カイミとモニカ・サウマーゾの作品に共通しているのは、鳥、川、海、奥地、星空…といったものに代表される「ブラジル」です。アルバム『Canto Sedutor』で2人を結びつけているのも、この伝統的なブラジル音楽という同じ橋です。アルバム『Canto Sedutor』は、Biscoito FinoからデジタルプラットフォームとCDでリリースされました。  異なる世代のMPBの2つの声を組み合わせるというアイデアは、女性歌手