「イパネマの娘」の声となった歌手のアストラッド・ジルベルト(Astrud Gilberto)が、6月5日(月)夜に、他界しました。83歳でした。
彼女の孫娘、歌うのが好きなソフィア・ジルベルト(Sofia Gilberto)が、Instagramで発表しました。
今のところ、死因や亡くなった場所などは、明らかになっていません。
度々、来日公演を行なっており、「ボサノヴァの女王」と称されてきました。
日本語での録音もありました。これは、渡辺貞夫の曲を日本語で歌っています。
これらは、有名曲を日本語で歌ったver。
アストラッドが、偶然、「イパネマの娘」を歌うことになった経緯を、『ブラジリアン・サウンド(クリス・マッガワン, ヒカルド・ペサーニャ 著 · 武者小路実昭, 雨海弘美 訳)』から引用します。
アルバムでは、5分20秒あったver(↓)を、
プロデューサーが、ジョアン・ジルベルトが歌うポルトガル語の部分を切って、2分47秒のシングルverにしてシングルとしてリリースし、大ヒットしました。
アストラッドとジョアン・ジルベルトは、アルバムの録音から間もなくして離婚。
人気者になったアストラッドは、Verveと契約し、ソロ歌手として、作品を発表するようになりました。
ボサノヴァだけに拘らない多様な音楽を録音し、「甘く、クールで、舌足らずにも感じられる歌声」とそれを活かした巧みなアレンジで、ポップスシンガーとしての地位を築きました。
2002年にリリースしたアルバム『Jungle』が最後のオリジナル・アルバムとなりました。自作曲も残しました。合掌。
(ラティーナ2023年6月)