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世界の音楽情報誌「ラティーナ」

「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。 あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために、これか… もっと読む
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#音楽

[2024.3]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2024年3月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Batsükh Dorj · Ögbelerim: Music for My Ancestorsレーベル:Buda Musique [2] ↓国内盤あり〼。(日本語説明帯付きCD) 19位 Hy

[2024.3]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊹】 『Pérolas Negras – Um Tributo a Luiz Melodia』

文:中原 仁  サンバにブルース、ソウル、ロックをふりかけ、マランドロの服を着たシンガー・ソングライター、ルイス・メロヂーア(1951~2017)、73年のファースト・アルバム『Pérola Negra(黒真珠)』にトリビュート。多彩な歌手が10曲中6曲を歌ったEPが、2月6日にデジタルでリリースされた。  ルイス・メロヂーアはリオの中心部、カーニヴァル会場「サンボードロモ」に近いエスタシオ地区、サンカルロスの丘生まれ。72年、バンド活動していたがまだ無名だったルイスの作

[2024.2]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2024年2月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Luzmila Carpio · Inti Watana / El Retorno del Solレーベル:ZZK [5] 19位 Lenhart Tapes · Densレーベル:Glitter

[2024.2]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~16】サインホ・ナムチェラク&内橋和久(トゥバ、日本)

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  このコラムのvol. 12でも紹介したモンゴル出身でドイツを拠点に活動するエンジ(Enji)や、鮮烈なインパクトのMVを次々と制作してワールドワイドな注目を高めているシベリアの先住民族チュルム人のメンバーで構成された新世代グループのオティケン(Otyken)など。伝わってくる情報などは少ないながらも、これまでにない感覚を放つ音楽家が次々と台頭してきている感のあるシベリア~中央アジアの音楽シーンですが、80年代末から90年

[2024.2]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ⑪】酔っぱらいとクルド人とカボチャとロマ

文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura 2023年11月の本連載でタンゴと酒の関係について取り上げたが、その中で紹介した "De puro curda", "La última curda", "El curdela", "Duelo curda" といった曲のタイトルに含まれる "curda" という語 ("curdela" は派生語) が今回のテーマである。 「酔い」「酔っぱらい」を意味するこの言葉、語源が「クルド人」だ、という説を聞いた

~音楽をてがかりにラテンアメリカ地域にアプローチ~ 2024年度立教大学ラテンアメリカ講座受講生募集中!

2024年度立教大学ラテンアメリカ講座受講生募集中!~音楽をてがかりにラテンアメリカ地域にアプローチ~ 「ラテンアメリカ論Ⅰ(音楽)」 講師:石橋純(東京大学教授) *上記の科目は対面とハイブリッド型授業。 遠方の方もオンラインで受講できます。 ◇申込締切:2024年3月25日(月)Web出願 ◇受講料:登録料15,000円(単年度有効) +授業料25,000円(1科目通年、年間授業数25~26回) ◇申込・詳細は講座Webサイトをご覧ください。 ◇問い合わせ先:立教

「ブラジル映画祭 in 東京 2024」の情報まとめ 【チケット販売開始!】

 3月8日(金)から3月14日(木)まで、東京・渋谷のユーロスペースで、「ブラジル映画祭 in 東京 2024」が開催されます!  開催情報は、駐日ブラジル大使館によるSNSで告知されていて、HPとかは今のところ立ち上げにならなそうなので、勝手ながら、こちらで情報をまとめてみました。ほら、SNSをあまり触らない人もいるでしょ…!?!  まず、名前も開催場所も一緒ですが、2015年まで渋谷・ユーロスペースを中心に10回開催された「ブラジル映画(主催:トゥピニキーン・エンター

[2024.2]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊸】 Zé Ibarra, Dora Morelenbaum, Julia Mestre 『Live at Grasshaus』

文:中原 仁  現在、ファースト・アルバム『SIM SIM SIM』のサイクルを終える国内ツアー中のバーラ・デゼージョ。“活動停止”、“解散” とは名言していないが、これがファイナル・ツアーで、4人のメンバーはソロやバンドの活動に戻るのだろう。そうなることは漠然と予期していたので、メンバーの一人(ルーカス・ヌネス)を欠いた編成ながら昨年、初来日が実現し、FESTIVAL FRUEZINHO2023で繰り広げた素晴らしいライヴ・パフォーマンスを生体験できたことは大きな喜びだっ

[2024.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~15】にわかに良作が続くセネガル音楽シーン

文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto  様々なジャンルを同時進行的に追っていると、たまにまったく相容れそうにないフィールドから同じ方向に向かっている動きを観測できることがあるが、最近にそれが起こっているのがセネガルの音楽だ。セネガルといえば、80年代のワールド・ミュージック隆盛期の旗手的存在となったユッスー・ンドゥールのンバラを筆頭に、強靭なサバ―ル・ドラム、アフロ・ラテン音楽、ヒップホップ、ジャズなどのあらゆるジャンルにおいて才人を輩出し続けてきた西アフリカ

[2024.1]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ⑩】コロン劇場1972

文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura 今回は、先日公開されたBest Albums 2023 ④にて私が挙げたアルバムに関する話を掘り下げてみる。 対象とするのは以下の2つ。 Horacio Salgán y su orquesta / Teatro Colón 1972 Astor Piazzolla y su Conjunto 9 / Teatro Colón 1972 両アルバムとも1972年にブエノスアイレスのコロン劇場でのラ

[2024.1]Best Albums 2023 ④

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●清川宏樹個人的には、コロナ禍を経てタンゴへの熱狂はやや冷めてしまったようで、少し距離を置いて過ごした1年だった。溌溂とした新鮮さと驚きに満ち、かつタンゴとしてのアイデンティティを持った新作は、実はあまり多くないのかも知れない。けれどもここに挙げた作品(①~⑤)には、新しい音への野心や、先人たちへの敬意といった、リスナーを惹きつける磁力を感じた。①は古典タンゴの様式美をモ

[2024.1]Best Albums 2023 ③

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●長屋美保メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マヨラルが参加するアフロカリブ系伝統音楽のソン・ハローチョを新しい形で聴かせるプロ

[2024.1]Best Albums 2023 ②

2023年ベストアルバムを選んでいただきました! (カタカナ表記のものは国内盤として発売されています) ●宇戸裕紀以前ラティーナで働いていた頃は山のようにCDを聴いていた中から10枚に絞るのにかなり苦労したものだが今ではCDに触れることが少なくなった分、絞り出すのに苦労するようになった。そんな中でもまずはガイア・ヴィルメルの圧巻のラインナップにはブラジルの豊穣さを感じた。アルゼンチンからはラテンアメリカの深い精神性がにじみ出たようなサンティアゴ・アリアスがバンドネオンで描き

[2024.1]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」 ㊷】 Marisa Monte 『Portas (Ao Vivo)』

文:中原 仁  マリーザ・モンチが2023年12月、「2021年ブラジル・ディスク大賞」第1位を獲得した『Portas』のコンサートのライヴ・アルバムをデジタル・リリース、同時に公式映像もYouTubeに公開した。2022年から23年にかけて国内と欧米をめぐり、80超の都市で150超の公演を行ない、トータル50万人以上を動員した大規模なコンサート・ツアーの前半、2022年10月にマリーザの自宅があるリオのガヴェア地区、ジョッキークラブ(競馬場)内の会場、Arena Jock