[2023.1]2022年ブラジルディスク大賞 関係者投票③
※関係者投票の内容を五十音順でご紹介します。
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)
●濱瀬元彦
1、4のモニカさんは素晴らしいが、4のメマーリは自分を出しすぎ。2のエリアーヌは歌手キャリアとしては最高の作品。3、 傑作。5、二人の超絶技巧を楽しもう。 6、“São” は彼としてもっとも聴きやすい作品となった。7、ジョイスの未発表録音のリリース。8、ヴェロニカがサブスクでのみ発表している作品群の一つ。9、貴重な作品。10、非常に質の高いアバンギャルド。一方、ミナス陣営からはめぼしい新作がなかった。
1. Mônica Salmaso & Dori Caymmi / Canto Sedutor
2. Eliane Elias / Quitude
3. Zé Miguel Wisnik / Vão
4. Mônica Salmaso & André Mehmari / Milton
5. ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス / ヤトラ・ター
6. Thiago Amud / São
7. ジョイス / ナトゥレーザ
8. Verônica Ferriani & Chco Saraiva / Sobre Palavras (Ao Vivo)
9. Fi Maróstica / Visão do Mar
10. Sera Serpa & Emmanuel Iduma / Intimate Strabgers
●MAKO
コロナ禍が漸く収まる兆しの中、今後の世の中への大きな期待に胸を膨らませ釘付けになって聞いた4人のアルバム「ヂーゼンガイオーラ」(1)。特に未来の子供たちへの想いが募る曲『Alagados』の優れたアレンジが最高!ジョアン・カヴァルカンチがサンバの大歌手ドナ・イヴォーニ・ララをトリビュートし発表した(2)は、今のブラジルのフェミニズム運動に位置づけされた優れもの。(3)でミルトンへの感謝を表したい。
1. Alfredo Del-Penho, João Cavalcanti, Moyseis Marques e Pedro Miranda / Desengaiola
2. João Cavalcanti / Ivone Rara - 100 Anos da Dona do Samba
3. Mônica Salmaso & André Mehmari / Milton
4. レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ / モアシール・ヂ・トドス・オス・サントス
5. Gilsons / Pra Gente Acordar
6. Djavan / D
7. ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス / ヤトラ・ター
8. Mônica Salmaso & Dori Caymmi / Canto Sedutor
9. Maria Rita / Desse Jeito
10. Anitta / Versions of Me
●松澤正宏
今年は選盤に困るかな?と思いきや、改めて聴くとあれもこれも良くてやっぱり悩みました。初聴から不動①の国内発売はフーベル、シウヴァに続くDUの好仕事(日本中の人たちに聴いて欲しい!)これからも聴き続けたいレチエレス・レイチ師②にW杯級の完成度④、グヂン先生③とドリ・カイミ曲集⑤は深く心の底に定着し、バイーアの中庸⑥⑧⑩や胸キュンの⑦に心和んだ、MPB第一世代の終曲が続く中、⑨の瑞々しさに救われた。
1. セーザル・ラセルダ / ナソンエス、オーメンス・オウ・レオンエス
2. レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ / モアシール・ヂ・トドス・オス・サントス
3. Xénia França / Em Nome da Estrela
4. Eduardo Gudin com Léla Simões e Naila Gallota / Valsas, Choros e Canções
5. Mônica Salmaso e Dori Caymmi / Canto Sedutor
6. Saulo / Aetd+
7. Maglore / V
8. Josyara / ÀdeusadarÁ
9. Djavan / D
10. Afroito / Açude
●村上達郎
大統領選挙も記憶に新しい、激動の一年を終えるブラジル。今年もパンデミック期の鬱憤が爆発するように良作のリリースが続き、10作品選ぶのが難しかった気がする。個人的には Bruno Berle の新作が素晴らしすぎてダントツで一番聴いていた。Baco Exu do Blues をはじめとするラッパー勢もかなりアツい。5. は Bruna Mendez のプロデューサー Janluska の最新プロデュース作で佳作。
1. Bruno Berle / No Reino Dos Afetos
2. ヂアナ HP / ファゼール・イ・カンタール
3. Baco Exu do Blues / QVVJFA?
4. ハファエル・マルチニ / マルテロ
5. Clara Valverde / BURBURINHO
6. Xênia França / Em Nome da Estrela
7. バーラ・デゼージョ / シン・シン・シン
8. Tulipa Ruiz / Habilidades Extraordinárias
9. João Camarero / Gentil Assombro
10. ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス / ヤトラ・ター
●村田 匠
多様化するの中でどの基準で選盤するのかは相変わらず悩むが 、
⑴リズムアプローチの面白さやサウンド全体の完成度
⑵共感出来るメロディー
⑶声の魅力
の3本軸で今年も選んでみた。1、4は特殊なユニット形態だがチャレンジングな音像が◎。2は1stを深化させた内容で貫禄すら感じた。3、5にサンバの新しい風を見て、6、9は録音が非常に良くて達人2人の音楽性へのハマり方が嬉しい。EPなどにも面白い作品が多く、まだまだ楽しいブラジル音楽に万歳!
1. Gilsons / Pra Gente Acordar
2. チン・ベルナルデス / ミル・コイザス・インヴィジヴェイス
3. Lukinhas / Confissões de um Tralha Romântico
4. バーラ・デゼージョ / シン・シン・シン
5. Guinu / Palagô
6. Djavan / D
7. Agnes Nunes, Neo Beats / Menina Mulher
8. João Donato / Serotonina
9. Pedro Mariano / Novo Capítulo
10. レオナルド・マルケス / フリーマーケット・ミュージック
●渡辺 亨
カエターノ・ヴェローゾやマリーザ・モンチが貫禄を示した2021年。対して、2022年は、全体的に新進アーティストが活躍。ガル・コスタが亡くなった年に “トロピカリア” を受け継ぎ、カエターノ周辺のミュージシャンを含む若者たちによるバーラ・デゼージョがデビュー・アルバムをリリースしたことが象徴的だし、とにかくブラジル音楽の未来を担うミュージシャンの台頭が、22年のもっとも嬉しい収穫だった。
1. バーラ・デゼージョ / シン・シン・シン
2. ハファエル・マルチニ / マルテロ
3. レチエレス・レイチ & オルケストラ・フンピレズ / モアシール・ヂ・トドス・オス・サントス
4. ムーンズ / ベスト・ケプト・シークレット
5. チン・ベルナルデス / ミル・コイザス・インヴィジヴェイス
6. Sessa / Estrela Acesa
7. Artur Araujo / Morada Dos Ventos
8. Thiago Amud / São
9. Bruno Berle / No Reino Dos Afetos
10. ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス / ヤトラ・ター
(ラティーナ2023年1月)
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