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#映画
[2024.10]【映画評】『ECMレコード サウンズ&サイレンス』〜創立55周年を迎えた名門レーベルの “静寂の次に美しい音楽” が生まれる瞬間
創立55周年を迎えた名門レーベルの “静寂の次に美しい音楽” が生まれる瞬間 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) シンプルなインテリアの美しい白い部屋で、一人椅子に座り、物憂げに俯く精悍な顔つきの男。マンフレート・アイヒャー、1943年生まれのドイツ人、1969年に創立され今年55周年を迎えるECMレコードの主宰者だ。ECMは音楽的にはジャズを中心としながら現代音楽や民族音楽を取り込んだものが多く、それらの要素のバランスはミュージシャン次第で、結果的に各々独自の多様なサ
[2024.10]【映画評】『シビル・ウォー アメリカ最後の日』〜現実と地続きの“もしもの世界”で描かれる 一生モノのトラウマ級の恐怖を体感する
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』 現実と地続きの“もしもの世界”で描かれる 一生モノのトラウマ級の恐怖を体感する 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) 本作の監督/脚本家アレックス・ガーランド(1970年ロンドン生まれ)は26歳の時に「ザ・ビーチ」(レオナルド・ディカプリオ主演で03年に映画化)で小説家デビューし、後に脚本家、さらに監督としてのキャリアを始め、『28日後…』(02 脚本)、『わたしを離さないで』(10 脚本)、『エクス・マキナ』(15 監督/脚本)など
[2024.8] 【映画評】酷暑の夏に観る長尺の傑作2本〜『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』 『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』
酷暑の夏に観る長尺の傑作2本 『夜の外側 イタリアを震撼させた55日間』 『至福のレストラン/三つ星トロワグロ』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) インド映画が長いのは、自宅にまだ冷房が完備されていない庶民が、暑さをしのいで涼むのを目的の一つとして映画館を訪れるからで、短いと早く外に出なければならないのでクレームが入る。と、真偽の程が分からない話を聞いたことがあるが、日本でもこれだけ暑い日が続くと、こんな話ももっともらしいと信じたくなってしまう。さて相変わらず猛暑が続
[2024.7]キューバ人ミュージシャンの実話に基づいた映画『マンボマン』〜キューバ革命記念日の7/26(金)より配信開始!
文⚫︎太田亜紀 texto por Aki Ota 『マンボマン』は、UKを拠点にラテン音楽をプロデュースするインデペンデント系レーベル、TUMI MUSICの代表モ・フィニと著名なキューバ人作曲家、エデシオ・アレハンドロが共同で監督を務めた映画。両監督にとってこれが初の長編作品となった。 モ・フィニ監督は30年以上前からキューバ音楽の普及に従事し、アフロ・キューバン・オールスターズ、オマーラ・ポルトゥオンド、エリアデス・オチョア、カンディド・ファブレ、ジューサといった
[2024.6]カリブ海へ旅する映画祭〜CARIBBEAN FILM FESTIVAL 2024〜開催決定!(読者プレゼントあり!締切7/8)
編集部 今年は、日本とジャマイカ及びトリニダード・トバゴ共和国との国交樹立60周年、日本とカリブ共同体(カリコム:CARICOM)が事務レベル協議開始から30年が経過した年です。それを記念し、2024年は「日・カリブ交流年2024」として、日本とカリブ共同体諸国の交流を深めることを目的とした様々な記念事業が行われます。 その一つとして「LIME records presents カリブ海へ旅する映画祭 〜CARIBBEAN FILM FESTIVAL 2024〜 」が開
[2024.6] 【映画評】アウシュビッツが照射する現代の非情 『関心領域』そして『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』と『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』
アウシュビッツが照射する現代の非情 『関心領域』そして『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』と 『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) 現在公開中の『関心領域』は、昨年のカンヌ国際映画祭でグランプリ、今年のアカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞を受賞している。そしてアウシュビッツを描いた作品として、これまでにない画期的な表現によって映画史にその名を残す傑作になったと言えるだろう。 カメラは強制収容所内で行われていた行為を一