「みんな違って、みんないい!」広い世界の多様な音楽を紹介してきた世界の音楽情報誌「ラティーナ」がweb版に生まれ変わります。
あなたの生活を世界中の多様な音楽で彩るために、これか…
もっと読む
¥900 / 月
- 運営しているクリエイター
#映画
[2024.1] 【映画評】まったく真逆の表現で心を揺さぶるヨーロッパから届いた2本の冒険物語 『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』
まったく真逆の表現で心を揺さぶる ヨーロッパから届いた2本の冒険物語 『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) もうすぐ公開される、ヨーロッパから届いた2本の映画を紹介しよう。1本はギリシャ、もう1本はベルギーの監督による作品で、いずれも女性が主人公の冒険物語だ。 『哀れなるものたち』(23)は、『籠の中の乙女』(09)がカンヌ国際映画祭ある視点賞を受賞して以来、発表する作品すべてが主要な国際映画祭のメイン部門でノミネート/受
[2023.12] 【映画評】ヴィム・ヴェンダースと日本人キャスト/スタッフによる最高のコラボレーション!『PERFECT DAYS』
文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) ヴィム・ヴェンダースの新作タイトルが『PERFECT DAYS』で、鬱蒼とした木々が映ったビジュアルを見て、まず思い出したのは彼の2016年の作品『アランフェスの麗しき日々』だ。それは冒頭からルー・リードの「PERFECT DAY」が流れ、緑あふれ木々がざわめき鳥がさえずる別荘で過ごす作家と、彼が執筆中の男女の物語がシュールなタッチで描かれるシンプルな会話劇だ。本作も「PERFECT DAY」が劇中で流れる(タイトルもそこから取られたの
[2023.8]映画 『ジェーンとシャルロット』〜常に時代を先取りした母と葛藤を抱えた娘が、初めて真摯に向き合った、その赤裸々な記録。
文●圷 滋夫(映画・音楽ライター) 2023年7月17日の朝、ジェーン・バーキンが前日に亡くなったことを知らされる。その数日前に本作を観て、まだまだ元気な姿が鮮明なイメージとして残っていたので、とても驚き呆然とすると同時に、図らずも本作の公開が追悼上映になってしまうことが残念でならなかった。2021年には軽い脳卒中で倒れたというニュースも聞こえてきたが、多くのファンは2020年にコロナ禍で中止になってしまった来日公演が、なんとかもう一度実現するよう心から願っていただろうか