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Web版 2021年2月

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2021年2月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額9…
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#ラティーナ

最近よく読まれている記事一覧

 いつもご愛読に感謝します。 渓流釣りを愛する宮沢和史の釣りとの馴れ初め...「秋田おばこ」...宮沢の、広い自然愛が語られていますよ。ファン必読。小松亮太がついに書き上げた単行本「タンゴの真実」は、証拠主義で突き詰めた正しい歴史像が展開されていますが、インタビューでその熱い意気込みが紹介。連日アップしている花田のブラジル音楽の365日は、毎日確かめる読者急増中。これはためになります。岡本郁生氏の「日本のラテン・シーンを作ってきた人たち」も盛りあがったまま最終回。加藤登紀子さ

[2021.02]斎藤充正、アルゼンチン・ステーキを焼く

文と写真●斎藤充正 [著者プロフィール] 斎藤充正 1958年鎌倉生まれ。第9回出光音楽賞(学術研究)受賞。アメリカン・ポップスから歌謡曲までフィールドは幅広い。世界のピアソラ・ファンがピアソラのバイブル本として認めている『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』の著者であり、ピアソラに関する数々の執筆や翻訳、未発表ライヴ原盤の発掘、紹介などまさにピアソラ研究の世界的第一人者。  アルゼンチンといえば牛肉。ブエノスアイレスに行けばレストランでアサードを食べるのは日常的なことだった

[2021.02]【e-magazine LATINA】編集部が今週聴いてほしい世界の新譜からの5曲[2/19更新]

[無料記事] 文●編集部  ちょっと間が空いてしまいました。編集部が気になった新譜の中から、厳選した5曲を紹介します。ブラジル〜 日本〜イスラエル&アルゼンチン〜スペイン〜ブラジル&ウルグアイというラインナップです。 1曲目。Antonio Loureiro「Saudade」アントニオ・ロウレイロ「サウダーヂ」  ジョビン-ヴィニシウスの名曲「A Felicidade (幸福)」に「Tristeza não tem fim(悲しみには終わりはない)」という有名なフレー

[2021.02]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」⑦】 Gal Costa 『Nenhuma Dor』

文●中原 仁 ───── 中原仁の「勝手にライナーノーツ」───── 近年、日本盤の発売が減少し、日本における洋楽文化の特徴である解説(ライナーノーツ)を通じて、そのアルバムや楽曲や音楽家についての情報を得られる機会がめっきり減った。 また、盤を発売しない、サブスクリプションのみのリリースが増えたことで、音楽と容易に接することが出来る反面、情報の飢えはさらに進んでいる。 ならば、やってしまえ!ということで始める、タイトルどおりの連載。 リンクを通じて実際に音楽を聴き、楽しむ

[2021.02]『春江水暖〜しゅんこうすいだん』新人監督、驚異のデビュー作は 今年のベスト10確実の三代にわたる家族の物語。

文●圷 滋夫(あくつしげお/映画・音楽ライター)  “春江水暖” とは「春に河の水が暖かくなる」という意味で、このタイトルからも、本作の影の主人公は舞台となった中国の杭州市富陽区に流れる大河、富春江だと言いたくなる。なぜなら映画の序盤では富春江の説明が入り、終盤には富春江の歌が朗々と歌われ、最後のカットもロングショットで捉えた富春江の姿だ。そして何より一年を通した物語の中で、季節が巡るごとにゆったりと流れる富春江の川面が映し出され、そこにはその季節を表す花鳥風月が添えられ強

【チック・コリア追悼】[1980.12]パコ・デ・ルシアがスパニッシュ・フュージョンに火をつけた −マイルス・デイビスが、チック・コリアが、アル・ディ・メオラがスペインから吸収している音とはいったい何だ!−

文●池上比沙之 巨匠チック・コリアが2021年2月9日、癌のために79歳で亡くなりました。 パコ・デ・ルシアも2014年、滞在先のメキシコで亡くなっています。 チックまで失った今、二人の偉業を再確認するために....以下の記事は、中南米音楽1980年12月号に掲載されたものをそのまま再掲載しています。  8年ぶりにフラメンコ・ギタリスト、パコ・デ・ルシアが来日することになっている。前回の日本公演は、フラメンコという伝統スタイルにおけるパコの天才的なスケールを誇示するものだ

[1989.08]今月のアーティスト紹介 スピック&スパン

 e-magazine LATINA の2021年2月の特集「日本のラテンシーンを作ってきた人たち〜ブラジル音楽編」に関連して、佐藤由美さんのご協力で、月刊ラティーナ1989年8月号からアーカイヴ記事を掲載します。 紹介人■佐藤由美  昨年(※1988年)2月、折しも来日中のジョイス姉さんが「アタシ、これからヨシダのレコーディングに付き合うことになってんの。じゃ行ってくるわね」と、ギター1本だけ抱えてふらり外出してしまった。おいおい、姉さんどこに行くの……と追いかける

[1985.10] ’85 日本の快バンド大放出その① 森本タケルとエラ・ジ・エスチ Takeru Morimoto e Era de Este

 e-magazine LATINA の2021年2月の特集「日本のラテンシーンを作ってきた人たち〜ブラジル音楽編」に関連して、中原 仁さんのご協力で、月刊ラティーナ1985年10月号からアーカイヴ記事を掲載します。 紹介人●中原 仁  このページではこのところ日本国ラティーナ音楽圏で異彩を放っている面白いグループなどを、随時紹介していきます。  森本タケルさんの名前は、読者の皆さんならよく御存知だろう。サンバのこよなき愛情にあふれた文章を読んでいると、そこに書かれたア

【追悼】[1981.04]極私的チック・コリア論

〜日本を襲うラテン、スパニッシュ・フュージョンの中で、どんな個人的体験が可能だろうか? 文●池上 比沙之 texto por Hisashi Ikegami ピアニスト/作編曲家のチック・コリアがほかの星に行ってしまった。 公式サイトに寄せられたチックの言葉を読むと、すでに旅立ちを予感していたようで、彼らしく明るい感謝の気持ちが綴られている。そんな、気持ちが生み出す優しい音楽を、たっぷり味合わせてもらった。 チック、ありがとう。                  池上比沙

[2021.02]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2021年2月|20位→1位まで【無料記事 聴きながら読めます!】

e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。   20位から1位まで一気に紹介します。 ※この記事は、登録なしで全て読める無料記事です。 ※レーベル名の後の()は、先月の順位です。 「Transglobal World Music Chart」は、世界各地のワールドミュージック専門

[2021.02]ジョアン・ジルベルト+カエターノ+ガルで録音した幻の音源がYouTubeに!

 1981年にジョアン・ジルベルトが、カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジル、マリア・ベターニアと録音したアルバム『海の奇跡/Brasil』を聴いたことがある人は多いと思います。実は、1971年に、ジョアン・ジルベルトと、カエターノ・ヴェローゾ、ガル・コスタが共演したアルバムがリリースがリリースされる可能性がありました。  音楽プロデューサーのマノエル・バレンベイン(Manoel Barenbein)の元に、レコード会社Philipsから、ジョアン、カエターノ、ガルが T

[2021.02]日本のラテンシーンを作ってきた人たち〜ブラジル音楽編《前編》〜

文●中原 仁 text by JIN NAKAHARA  【e-magazine LATINA】の総合プロデューサー、宮沢和史さん肝いりの企画「日本のラテンシーンを作ってきた人たち」。第一弾はブラジル音楽編、時代を追い、2回に分けて担当する。なお、登場人物の名前は敬称略で表記させていただく。  1951年、日本の芸能団がブラジルに渡り、5カ月にもわたる日系人コミュニティー向けの公演を行なった。一座の一人が新人歌謡歌手、生田恵子(1928年~1995年)。彼女は滞在中、ルイ

[2021.02]【TOKIKOの 地球曼荼羅⑦】フィリピンのスラムから生まれた歌 ─フレディー・アギラとの出会い─

文●加藤登紀子  1978年9月、私は「アナック ─ 息子」をシングルリリースしました。 「母の胸に抱かれて お前は生まれた よろこびの朝を運んで 寝顔を見つめるだけで 嬉しさが溢れる 父はお前の明日を祈った」(加藤登紀子訳詞)  この歌は、フィリピンのフレディー・アギラが作詞作曲した歌で、フィリピンのタガログ語で作詞されたはじめての大ヒット曲と言われています。 当時のマルコス政権のもと、マルコス夫人の主催したコンクールで優勝を逃し2位だったけど、人気が出たというのです