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Web版 2021年12月

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2021年12月に新規にアップした記事のみが収められているマガジンです。こちらでアーカイブ記事は読めませんので、アーカイブ記事も購読するには定期購読マガジンの「ラティーナ」(月額…
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#ラティーナ2021年12月

[2021.12]【太平洋諸島のグルーヴィーなサウンドスケープ⑰】 真珠採りダイバーと癒しの音楽 ―トレス海峡・木曜島―

文●小西 潤子(沖縄県立芸術大学教授)  「健康、長寿、富、無垢」といった意味が込められた真珠は、フォーマルな場での定番アイテムですよね。太平洋の島々の美しさも、しばしばその輝きにたとえられます(2021年3月号参照)。  真珠の存在は、紀元前3200年頃エジプトで知られていたらしく、クレオパトラが世界最大の真珠を酢に溶かして飲んでみせたとか。王権を象徴する宝石として、大航海時代から帝国主義時代にかけて、中東のバハレーン島、南インドのマンナール湾、セイロン島、ベネズエラか

【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑬】暗い元歌を明るいものに変えてしまった美女 — イパネマの娘 —

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ※こちらの記事は、1/5(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  シコ・ブアルキとトン・ジョビンの作品についての中村安志氏の大好評の二つの連載ですが、今回はトン・ジョビン、今年の締めに、いよいよボサノヴァ最高の有名曲です。両連載は新年もまだまだ続きます。ご期待くださいね。(編集部)  「見ろ、なんて最高に美しい/愛嬌でいっぱい/あの

[2021.12]アルゼンチン・ニュース : ピアソラ・キンテートのギタリスト、オスカル・ロペス・ルイス逝く!

文●ラティーナ編集部  アストル・ピアソラのキンテート、オクテートなどのギタリストとして、約25年間にわたって活躍したオスカル・ロペス・ルイス氏が12月24日金曜日、ブエノスアイレスで亡くなったという悲しい報せが入った。  娘のアレハンドラ・ロペス・ハスカレビッチは22日、自身のFacebookアカウントを通じて、「父の健康状態が危機的であることをお伝えします。4度目の敗血症で集中治療室に入院し挿管されていたのですが、治療に反応せず、命が細ってきています。祈るしかありませ

[2021.12]PIRY REIS~ミニマル&アンビエント・リバイバルで急浮上する幻のブラジル音楽家 1995年、自宅訪問の回顧録【後編】

文と写真●若杉 実  texto e fotos por MINORU WAKASUGI 【前編】はこちら↓ ※こちらの記事は、12/29(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。  本題に入るまえに前回の補足を。当時のメモを見落としていた箇所を発見。“ピリ・ヘイスという名前は今後使わない”という理由について、不詳と書いたが、本人からの説明があった。 「わたしのようなインストゥルメンタル・ミュージックはブラジルでは需要がない。アメリ

[2021.12]【沖縄・奄美の島々を彩る歌と踊り17】 近代沖縄 芸能を地域に伝えた人物−玉城金三の活躍−

文:久万田晋(沖縄県立芸術大学・教授)  芸能は、時に異能を持つ人物の働きが、極めて広い範囲に影響を及ぼすことがある。戦前期に沖縄本島北部地域に様々な舞踊や芸能を伝えた玉城金三という人物がいる。玉城金三(1878年首里寒川生、1957年没)は、俗称を黄金山という。陸軍歩兵軍曹として日露戦争へ出征し、その後名護間切(現名護市)へ移住した。彼は明治・大正時代を通じて首里と那覇の街の中間にあった寒川芝居の役者としても知られていた。名護に移住後は一時期役者を廃業したと伝えられるが、

[2021.12]【連載シコ・ブアルキの作品との出会い⑮】キリストの名を持つ、シングルマザーの息子 — Minha história

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ※こちらの記事は、12/29(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 中村安志氏の連載は「シコ・ブアルキの作品...」と「アントニオ・カルロス・ジョビンの作品...」を交互に掲載中です。今回は暑いブラジルのクリスマスの、ある現実を歌った名曲。(編集部)  クリスマス・シーズン。今回は、キリストの名にちなんだ曲を1つ、ご紹介します。  

[2021.12]【連載 アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い⑫】サンバの殿堂の丘に登ったジョビンのピアノ- O piano na Mangueira

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ※こちらの記事は、12/22(水)からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 中村安志氏の「アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い」、「シコ・ブアルキの作品との出会い」の2連載を交互にアップしています。ブラジルで最も人気も高い2人の音楽家の作品を、外交官としてブラジルに長く滞在した中村安志氏が曲の成り立ちから、社会的背景に至るまで詳しく

[2021.12]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2021年12月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】

 e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。 20位 Australian Art Orchestra, Daniel Wilfred, David Wilfred, Sunny Kim, Peter Knight, Aviva Endean · H

[2021.12]【シコ・ブアルキの作品との出会い ⑭】貧富が同居するリオの街で — Estação derradeira

文と訳詞●中村 安志 texto e tradução por Yasushi Nakamura ※こちらの記事は、12/18からは、有料定期購読会員の方が読める記事になります。定期購読はこちらから。 お知らせ●中村安志氏の原稿の方は編集部に順調に送られてきているのですが、担当編集部員の都合により、掲載がしばらく途切れてしまいましたことを深く、深くお詫びいたします。大好評連載「アントニオ・カルロス・ジョビンの作品との出会い」についても、今後まだまだ素晴らしい記事が続きます

ディエゴ・スキッシ(Diego Schissi)の音楽的影響を知るためのアンケート

[月刊ラティーナ2016年5月号「新しい世界の作曲家」特集より] ディエゴ・スキッシ(Diego Schissi)1969年ブエノスアイレス生まれ。マノロ・フアレス、ダニエル・モンテスに師事。オルケスタ・エミリオ・バルカルセタンゴ学校卒。タンゴと現代音楽の接点を高みへと導くアルゼンチン音楽界で最も注目を集める開拓者。 12月11日AM9時〜 Cribas + Diego Schissi Quinteto 初の共演コンサート ▼

フアン・フェルミン・フェラリス(Juan Fermín Ferraris)[from Cribas]の音楽的影響を知るためのアンケート

[月刊ラティーナ2016年5月号「新しい世界の作曲家」特集より] 12月11日AM9時〜 Cribas + Diego Schissi Quinteto 初の共演コンサート ▼ ▼ Q1.どういう音楽を聴いて育ったんですか。特に好きだった作曲家や演奏家はいますか。 Juan Fermín Ferraris 家族の影響で常に聴いていました。子どもの頃から父のカセットやLPを見つけたり、ウォークマンを手にとっては同じアルバムを繰り返し聴いていました。ルイス・アルベルト・

[2021.12]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」⑰】 Thiago Amud 『São』

文●中原 仁  カエターノ・ヴェローゾの新作のタイトル曲「Meu Coco」でホーン・アレンジを行なったチアゴ・アムーヂが11月、4枚目のリーダー作『São』をデジタル・リリースした。

[2021.12] 来日記念! ルベン・ラダの軌跡を辿る・拡大版 Part 3

文●斎藤充正 texto por MITSUMASA SAITO [著者プロフィール] 1958年鎌倉生まれ。第9回出光音楽賞(学術研究)受賞。アメリカン・ポップスから歌謡曲までフィールドは幅広い。世界のピアソラ・ファンがピアソラのバイブル本として認めている『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』の著者であり、ピアソラに関する数々の執筆や翻訳、未発表ライヴ原盤の発掘、紹介などまさにピアソラ研究の世界的第一人者。ピアソラやタンゴに留まらず、アルゼンチンやウルグアイのロックに関しても

[2021.12]現代ウルグアイ音楽事情(後編)

文●谷本雅世 texto por Masayo Tanimoto (PaPiTaMuSiCa)  前編では現代ウルグアイ音楽の主に男性アーティストについて紹介してきた。後編では現在も活躍中のベテランから新人にいたる新旧女性アーティストについてご紹介していきたい。ブラジルとアルゼンチンの両大国に挟まれた南米の小国ウルグアイでは様々な音楽が絶妙に交じり合い、影響を受けながらも独自の進化を遂げてきている点についてもその中で特筆したい。歌手や演奏者たちは、自身の国のアイデンティティ