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【追悼】[1998.06]ガル・コスタ、女王の全ディスコグラフィ

 ガル・コスタ(Gal Costa 本名 : Maria da Graça Costa Penna Burgos
1945年9月26日生まれ)が、2022年11月9日にサンパウロの自宅で亡くなりました。77歳でした。ご冥福をお祈りいたします。

 本記事は、1998年6月号の月刊ラティーナに掲載された記事です。1998年時点でのディスコグラフィとなります。

文と資料●中原 仁

本欄ご紹介作品中、◯つきの番号のアルバムが単独リーダー作。
●特記のあるもの以外、すべてCDの番号です。

1 カエターノ、ガル、ジル&ベターニア 

●BMG 10.051(1966)

参加曲目:
② EU VIM DA BAHIA ④ PRA QUE MENTIR?
⑥SOL NEGRO ⑧ SIM, FOI VOCÊ ⑪ SORTE

まだマリア・ダ・グラッサと名乗っていた時代の66年に発表したデビュー・シングルが「エウ・ヴィン・ダ・バイーア」(ジル作)と「シン、 フォイヴォセー」(カエターノ作)のカップリング。その2曲をはじめ、バイーアの4人組の初期の録音を集めたコンピCDで、ガルの出発点がここにある。「ソルチ」は80年代の録音。

② ドミンゴ/カエターノ&ガル

●マーキュリー PHCA-4203(1967)

ガル5曲、カエターノ4曲、デュエット3曲による2人の初リーダー盤。名曲「コラサゥン・ヴァガブンド」をはじめ初々しさが残る “バイアーナ(ノ)のボサ” だが、時はトロピカリズモ前夜。嵐の前の静けさにも似た胸騒ぎと、イタリアン・ニューシネマに通じる “切り取られた時間の白日夢” が哀しく、狂おしいまでに美しい。

③ トロピカリア・オウ・パニス・エ・シルセンシス

●Philips 512 089-2(1968)

参加曲目: ⑤ PARQUE INDUSTRIAL ⑦ BABY ⑩ MAMĀE, CORAGEM
⑫ HINO DO SENHOR DO BOMFIM

奇しくも本作に1曲だけ参加しているナラ・レオンが元ボサノヴァのミューズだったように、ガルはトロピカリズモのミューズといった役どころだった。 ガルがリードを取る大ヒット曲「ベイビー」(カエターノ作)「ママイ・コラージェン」(カエターノ=トルクアート・ネト作)は、実験室を吹き抜ける一陣の涼風を思わせる。

④ ガル・コスタ

●Philips 6328.393 (LP)(1969)

ソロ名義のリーダー盤はこれが最初。「ヂヴィーノ、マラヴィリョーゾ」、「ナゥン・イデンチフィカード」、カエターノとのデュエット 「キ・ペーナ」(ジョルジ・ベンジョール作)などのヒット曲が生まれ、名声は一気に確立された。ホベルト&エラズモ・カルロスの作品2曲も興味深い。音楽監督はホジェーリオ・ドゥプラ。

⑤ ガル・コスタ

●Philips 514 993-2 (1969)

④同様、カエターノ、ジル、ベンジョール作品を中心に歌う。トロピカリズモの影の顔役、ジャルズ・マカレーの存在にも注目したい。サイケなイラストのジャケット、ホジェーリオのアレンジも含め、ガルの全アルバムの中で最もロックで実験的でトロピカリズモな作品。 ホベルト&エラズモがプレゼントした「私の名前はガル」も。

⑥ レ・ガル

●Philips 6328.498 (LP) (1970)

この時期、カエターノとジルはロンドン亡命中。カエターノの「ロンドン、ロンドン」をいち早く歌うなど、 ガルは彼らの不在を補う “声” の役を果たしていた。引き続きロック色は濃いが、マカレーの影響でブルース色も出ている。ジル作の北東部物、カエターノ作のトリオ・エレトリコ物、ジェラルド・ペレイラ作品まで多彩。

⑦ ガル・ア・トード・ヴァポール

●Philips 514991-2(1971)

曲目: ① FRUTA GOGOIA ② CHARILES ANJO 45  ③ COMO 2E 2 
④ CORAÇÃO VAGABUNDO ⑤ FALSA BAIANA ⑥ ANTONICO
⑦ SUA ESTUPIDEZ  ⑧ FRUTA GOGOIA  ⑨ VAPOR BARATO
⑩ DÉ UM ROLE ⑪ PÉROLA NEGRA ⑫ MAL SECRETO
⑬ COMO 2 E 2 ⑭ HOTEL DAS ESTRELAS ⑮ ASSUM PRETO 
⑯ BOTA A MÃO NAS CANDEIRAS ⑰ MARIA BETHÂNIA
⑱ NÃO SE ESQUEÇA DE MIM ⑲ LUZ DO SOL

71年にリオで行なわれ、大評判のロングランとなったショー「フアタルーガル・ア・トード・ヴァポール』のライヴ盤。 オリジナルLPは2枚組で、前半はギター1本でシンプルに、後半は一転してロック・バンド編成で賑やかに迫る。歌手ガルの個性を確立した記念碑で、個人的には初期の最高傑作だと思う。 そして㉚への伏線も。

⑧ インディア

■新星堂 EGR-1002DM (1973)

大胆なインヂオ娘ルックのジャケット。しかし内容的には本格派シンガーの道を歩み出し、魔性すら帯びた歌声で聞き手の心を魅了する。タイトル曲(パラグアイの名曲)での7分近い熱唱をはじめ、ボサノヴァから北東部音楽まで幅広い素材をアコースティックなサウンドで歌い、MPBの女王の座が近づいてきたことを予感させる。

9テンポラーダ・ヂ・ヴェラウン/カエターノ、ガル、ジル

●Philips 848 452-2(1974)

参加曲目: ① QUEM NASCEU ⑧ACONTECE

ベターニアを含む4人組の初舞台から10年。所も同じサルヴァドールのチアトロ・ヴィラ・ヴェーリャでのライヴだが、3人とも単独ステージで共演シーンはない。ガルは2曲だけだが、 歌のうまさはすでに完璧。「ケン・ナセウ」はバイーアの変人ペリクレス・カヴァルカンチの作品。「アコンテッシ」はカルトーラ作。

⑩ カンタール

●Philips 510 222-2(1974)

プロデューサーがカエターノ。アレンジャーがカエターノ、ジル、ジョアン・ドナートほかという超豪華盤。「歌う」というタイトルそのまま、 ガルの抜群の歌心が満喫できる会心作で、選曲も粒ぞろい。ドナートのピアノとのデュエット2曲も絶品。同名のショー(演出:カエターノ、音楽監督:ドナート)も話題を呼んだ。

⑪ ガル・カンタ・カイミ

●Philips 836 014-2(1976)

30代を迎えたガルの第一歩は、自分の音楽的なルーツを振り返ることから始まった。これは敬愛する故郷バイーアの巨匠、ドリヴァル・カイミの作品集。ガルは可憐な中にも母性愛あふれる歌声で、カイミ作品の永遠の魅力を伝えている。前作に続いてドナートがアレンジ 演奏で協力しているのも聞き逃せない。

12 ドーシス・バルバロス/カエターノ、ガル、ジル、ベターニア

●Philips 842 920-2(1976)

バイーアの4人組のリユニオン・コンサートのライヴ。往年のヒッピー・ファッションで登場し、カエターノとジルの作品を中心にロック、バイアゥン、サンバ・ヂ・ホーダなどを一気に歌う。この時すでに個々の道をきわめていた4人の、永遠に緩むことのない絆が実感できる。ブラジルではドキュメト・ヴィデオも発売された。

⑬ カラス・イ・ボカス

●Philips 510 011-2(1977)

この時代のカエターノのアルバムに共通する、自分の内面へと向かうベクトルを備えていて、地味だが心に残る秀作だ。タイトル曲はカエターノ=ベターニア兄妹の共作で、ベターニアのソングライティングは大変に珍しい。ボブ・ディラン作品(ポルトガル語の訳詩はカエターノ)やデューク・エリントン作品のカヴァーも。

⑭ アグア・ヴィーヴァ

●Philips 510004-2(1976)

定番のカエターノ及びジル作品に加え、この頃からミルトン・ナシメントやシコブアルキの作品も重要なレパートリーとなる。北東部テイストの「オ・ゴスト・ド・アモール」 には作者ゴンザギーニャやアコーディオンのシヴーカも参加。曲も粒ぞろいなのに全体としての印象がやや弱いのは、秀作2枚にはさまれた作品だから?

⑮ ガル・トロピカル

●Philips 836 016-2(1979)

女王ガルを不動とした代表的なヒット盤。同名のショーは79年から1年以上に及ぶ超ロングランとなった。曲目の時代性、スタイルを越えてガルの歌はすべてを「今」という鏡に鮮やかに映し出す。中でもカエターノ作「フォルサ・エストラーニャ」は絶品ナマ睡モノだ。そして80年、ガルはこのショーを引っ提げて初来日した。

⑯ アクアレーラ・ド・ブラジル

●Philips 836 017-2(1980)

⑪に続く個人作品集、今回のお題はアリバホーゾ。裏テーマとして、アリ作品を数多く歌ってきたジョアン・ジルベルトへのオマージュも隠れていそうだ。往年の歌謡ショーっぽいアレンジは、レトロなカッコ良さとダサダサの境界線からややダサ寄りといった感じだが、幼い頃から聴き親しんできだ曲を歌うガルは、さすが。

⑰  ファンタジア

●Philips 836 015-2

「フェスタ・ド・インテリオール」(モライス・モレイラ作)の大ヒットを生んだアルバムだが、ここでは初めてジャヴァンやイヴァン・リンスの作品を取り上げたことに注目したい。特にジャヴァン作の「ファルタンド・ウン・ペダソ」は絶品で、ジャヴァンはこの後、カエターノに続くガルへの重要な作品提供者となっていく。

⑱ ミーニャ・ヴォス

●Philips 510 220-2 (1982)

前作に続いてモライス・モレイラ作のフレヴォ「ブロコ・ド・プラゼール」がヒット。カエターノ作「ミーニャ・ヴォス、ミーニャ・ヴィダ」は作者「リーヴロ」で初録音したが、 もともとガルが本作で歌ったのが最初のヴァージョン。トロピカリズモ時代を回顧するメドレーや、ジャヴァン、ジョビン、ミルトン作品も歌う。

⑲ ベイビー・ガル

●マーキュリー 32PD-472 (廃盤)(1983)

曲目: ① MIL PERDÕES  ② SUTIS DIFERENÇAS  ③ BAHIA DE TODAS AS CONTAS ④ SIM OU NÃO ⑤ GRANDE FINAL ⑥ RUMBA LOUCA 
⑦ OLHOS DO CORAÇÃO  ⑧ DE FLOR EM FLOR  ⑨ ETERNAMENTE  ⑩ BABY

故エリス・レジーナの元夫、セーザル・カマルゴ・マリアーノが初めてアレンジを担当し、サウンドの完成度は⑯以降で最も高い。シコ、カエターノ、ジル、モライス、ジャヴァン作品に加え、新世代のコンポーザーからはトゥナイ(ジョアン・ボスコの弟)を抜櫂。ラストは出世曲「ベイビー」の25年目のニュー・ヴァージョン。

20 ガブリエラ(オリジナル・サウンドトラック)

●BMG 3151-2-RL (USA) (1983)

参加曲目: ② TEMA DE AMOR DE GABRIELA ⑤ CASÓRIO ⑥ ORIGENS ⑩ TEMA DE AMOR DE GABRIELA (VERSÃO COMPLETA)

ジョルジ・アマード原作、 ブルーノ・バヘット監督、 ソニア・ブラガ&マルチェロ・マストロヤンニ主演の映画のサウンドトラック。音楽担当はアントニオ・カルロス・ジョビン、アレンジはオスカル=カストロ・ネヴィス。ガルはジョビンとのデュエットを含む4曲に参加。これがジョビンとの初レコーディングになる。

㉑ プロファーナ

●BMG 103.0637 (LP)(1984)

ポリグラムからBMGに移籍しての第1弾は、カエターノ作の挑発的なロックで幕を開ける。ロマンチックなバラードから北東部の伝統音楽、スティーヴィー・ワンダーのカヴァーまで幅広く、ルイス・ゴンザーガとの共演も。前進意欲はうかがえるが、やや肩に力が入り過ぎか?大胆な歌舞伎メイクのジャケットも話題を呼んだ。

㉒ ベン・ボン

●BMG M10.166(1985)

珍しくカエターノ作品がないかわり、 カエターノとの絶品のデュエット「ソルチ」が聴ける。故チン・マイアとのデュエット「ウン・ヂア・ヂ・ドミンゴ」はポルトガルでも大ヒットした。タイトル曲はサンパウロのエドゥアルド・グヂン=アヒーゴ・バルナベー作。マリーナ、カズーザ=フレジャーなどロック世代の作品も歌う。

23 ジャズヴィジョンズ4

●NECアベニュー A32C-1004 (廃盤)(1986)


曲目: ① ONE NOTE SAMBA ② DESAFINADO ③ AGUA DE BEBER
④ DINDI ⑤ WAVE  ⑥ BOLERO ⑦ GABRIELA ⑧ CHEGA DE SAUDADE
⑨ TWO KITES  ⑩ SAMBA DE SOHO ⑪ SABIA ⑫ SAMBA DO AVIÃO  ⑬ AGUAS DE MARÇO ⑭ CORCOVADO

86年、ロサンゼルスで行なわれたアントニオ・カルロス・ジョビン・ファミリー・バンドのコンサートにゲスト出演。デュオによる「ジンジ」をはじめジョビン作品5曲を麗しく歌い、ステージで最も輝く人ガルの真価を余すところなく発揮している。レーザー・ディスクとヴィデオも同時発売されたが、 すべて廃盤なのが残念。

㉔ ルア・ヂ・メル・コモ・オ・ヂアボ・ゴスタ (蜜月)

●BMGビクター R32P-1152 (廃盤) (1988)

曲目: ① ARARA ② O VENTO ③ TENDA ④ VIVER E REVIVER(HERE,  THERE AND EVERYWHERE) ⑤ ME FAZ BEM ⑥ MORRO DE SAUDADE ⑦ LUA DE MEL ⑧ CREIO ⑨ SOU MAIS EU ⑩ TODOS OS INSTRUMENTOS

「悪魔が好きな蜜月」 なんて怖いタイトルがついているが、 温泉入浴シーンを思わせるジャケットと、 タイトル曲のノホホンな感じが妙にマッチして、 ここまでのBMG盤の中では最もリラックスした内容。ルル・サントス作品3曲のほか、 カエターノ、ミルトン、ジャヴァン、ビートルズ、そして初めてジョイス作品を取り上げた。

㉕ プルーラル

●BMGジャパン BVCP-7533(1990)

「複数」というタイトルのとおり多面的な顔が見えるが、アフロ・バイーアの女王の表情がいちばん輝いている。オロドゥンやムゼンザの作品をブロコ・アフロのアレンジで歌い、C・ブラウンも起用。かたやバラードから「ビギン・ザ・ビギン」まである。ガルのベスト5に入る秀作だと思うし、これ以降の作品にはハズレがない。

㉖ ガル

●BMG BVCP-7534(1992)

曲目: ① SAUDAÇÃO AOS POVOS AFRICANOS 〜 INGENA ② REVOLTA OLODUM ③ COISAS NOSSAS ④ TROPICÁLIA ⑤THE LAZIEST GAL IN TOWN ⑥ RAIZ  ⑦ É D'OXUM 〜 IÁ AGUIBÃOXUM AURA OLU ADUPÉ ⑧ COMNIDA ⑨ SAUNDAÇÃO AOS POVOS AFRICANOS 〜 INGENA 
⑩ CORDAS DE AÇO  ⑪ CAMINHOS  CRUZADOS  ⑫ FEITIO DE ORAÇÃO ⑬ RUMBA DE JACAREPAGUÁ SAUDAÇÃO  ⑭ AOS POVOS
AFRICANOS 〜 INGENA

アフロ・バイーアの先端にアプローチした前作に続き、より奥深くアフロ・バイーアのルーツへと踏み込んだ味わい深い作品。その一方ではノエル・ホーザ、 カルトーラらの古典も。 前作の「ビギン…」 の流れを汲んだコール・ポーター作品ではボビー・マクファーリンとデュエット。「十字路」には作者ジョビンがピアノで参加。

㉗ チェシャ猫の微笑

●BMG ジャパン BVCP-7535(1993)

円熟した大人の女性の魔性、 ここにあり。プロデューサーはアート・リンゼイ。カエターノ、ジル、ベンジョール、ジャヴァンの新曲、未発表曲(一部アートとの共作もあり)に的を絞った内容で、日本でも新たなファンを獲得した話題盤。ベンジョール作「マンゲイラの太鼓」 は、発売前の93年の日本公演で一足早く披露していた。

㉘ 私の宝箱

●BMG ジャパン BVCP-7536(1995)

シコとカエターノの作品集で、プロデューサーはジャキス・モレレンバウム。故ジョビンに捧げた「別離のサンバのように」(シコ=カエターノ共作)以外はすべて既発表曲だが、ガルは初めて録音した曲ばかり。選曲、歌、アレンジと、隅から隅まで心憎いまでの気配りが感じられるゴージャスな内容で、まさにMPBの宝箱だ。

29 チエタ・ド・アグレスチ(オリジナル・サウンドトラック)

●オーマガトキ OMCX-1015(1996)

参加曲目: ①A LUZ DE TIETA  ③O MOTOR DA LUZ  ⑦ VENHA CA
CORAÇÃOZINHO  ⑭ VENTO

ジョルジ・アマード原作、カルロス・ヂエギス監督の映画のサントラで、音楽はすべてカエターノの書き下ろし、アレンジとプロデュースはジャキス。 ガルの歌は、ネギーニョ・ド・サンバ率いる女性ブロコ・アフロ「ヂダー・バンダ・フェミニーナ」を従えてカエターノとデュエットした「チエタの光」をはじめ5曲で聴ける。

㉚ アクースチコ〜アンプラグド・ライヴ

●BMGジャパン BVCP-6124(1997)

曲目: ① BABY ② CORAÇÃO VAGABUNDO ③ NÃO IDENTIFICADO ④
LONDON, LONDON ⑤ SÓ LOUCO ⑥ BARATO TOTAL  ⑦ LANTERNA DOS AFOGADOS ⑧ TECO-TECO  ⑨ PERÓLA NEGRA ⑩ SUA ESTUPIDEZ   ⑪ FALSA BAIANA  ⑫ CAMISA AMARELA  ⑬ VAPOR BARATO ⑭ VOCÊ NÃO ENTENDE NADA ⑮ PAULA E BEBETO 
⑯ AQUARELA DO BRASIL

ソロ・ライヴ盤は⑦以来26年ぶりだ。⑦の収録曲を中心にトロピカリズモ時代の代表曲がレパートリーの大半を占めており、つまりここにはガルなりに “あの時代” を総括する意志が反映されている、と聴くのが正解。ゲストの顔ぶれも多彩だが、 中でもゼカ・バレイロとの共演は意義深い。

(月刊ラティーナ1998年6月号掲載)


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