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[2024.1]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~15】にわかに良作が続くセネガル音楽シーン
文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto
様々なジャンルを同時進行的に追っていると、たまにまったく相容れそうにないフィールドから同じ方向に向かっている動きを観測できることがあるが、最近にそれが起こっているのがセネガルの音楽だ。セネガルといえば、80年代のワールド・ミュージック隆盛期の旗手的存在となったユッスー・ンドゥールのンバラを筆頭に、強靭なサバ―ル・ドラム、アフロ・ラテン音楽、ヒ
[2024.1]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ⑩】コロン劇場1972
文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura
今回は、先日公開されたBest Albums 2023 ④にて私が挙げたアルバムに関する話を掘り下げてみる。
対象とするのは以下の2つ。
Horacio Salgán y su orquesta / Teatro Colón 1972
Astor Piazzolla y su Conjunto 9 / Teatro Co
[2024.1] 【映画評】まったく真逆の表現で心を揺さぶるヨーロッパから届いた2本の冒険物語 『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』
まったく真逆の表現で心を揺さぶる
ヨーロッパから届いた2本の冒険物語
『哀れなるものたち』『ゴースト・トロピック』
文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)
もうすぐ公開される、ヨーロッパから届いた2本の映画を紹介しよう。1本はギリシャ、もう1本はベルギーの監督による作品で、いずれも女性が主人公の冒険物語だ。
『哀れなるものたち』(23)は、『籠の中の乙女』(09)がカンヌ国際映画祭ある視点賞
[2024.1]Best Albums 2023 ④
2023年ベストアルバムを選んでいただきました!
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)
●清川宏樹個人的には、コロナ禍を経てタンゴへの熱狂はやや冷めてしまったようで、少し距離を置いて過ごした1年だった。溌溂とした新鮮さと驚きに満ち、かつタンゴとしてのアイデンティティを持った新作は、実はあまり多くないのかも知れない。けれどもここに挙げた作品(①~⑤)には、新しい音への野心や、先人た
[2024.1]Best Albums 2023 ③
2023年ベストアルバムを選んでいただきました!
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)
●長屋美保メキシコでアーリーレゲエ系アーティストたちの公演が多くあったために、日常ではジャマイカ音楽ばかり聴いていたが、新たな発見も多かった1年。1〜6はメキシコのアーティストたち。1と2はミクスチャー・ラテングループのロス・アグアス・アグアスのシンガー、ハラーナ奏者のエドゥイン・バンダラ・マ
[2024.1]Best Albums 2023 ②
2023年ベストアルバムを選んでいただきました!
(カタカナ表記のものは国内盤として発売されています)
●宇戸裕紀以前ラティーナで働いていた頃は山のようにCDを聴いていた中から10枚に絞るのにかなり苦労したものだが今ではCDに触れることが少なくなった分、絞り出すのに苦労するようになった。そんな中でもまずはガイア・ヴィルメルの圧巻のラインナップにはブラジルの豊穣さを感じた。アルゼンチンからはラテン