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[2023.7]【境界線上の蟻(アリ)~Seeking The New Frontiers~10】V.A./中村とうよう 「世界こぶし巡り」+「こぶし地帯を行く」(MELISMATA - A GREAT CIRCLE OF GRACE NOTES)
文●吉本秀純 Hidesumi Yoshimoto
2011年7月に音楽評論家の中村とうようさんが亡くなってから今年で13回忌を迎えたのを機に、かつてご自身のレーベルである≪オーディブック≫から発表していたコンピレーション盤が立て続けに復刻されている。青春篇/源流編/放浪編に分けられた3CDでボサノヴァの多角的な魅力に迫った『ボサ・ノーヴァ物語』、86年にLP2枚組の2セットで発表されていたも
[2023.7]【追悼】 ジョアン・ドナートの軌跡を辿る 〜ボサノヴァとMPBの偉大なるマエストロ〜
文:中原 仁
また一人、ブラジル音楽の巨星が旅立った。作曲家・ピアニスト、ジョアン・ドナート(1934年8月17日~2023年7月17日)。享年88歳。年齢を思えば大往生だが、近年も元気に活動を続けていただけに喪失感が大きい。謹んでご冥福をお祈り申し上げる。
ボサノヴァの先駆者あるいは創始者に位置づけられることが多いドナートだが、そのことを裏づける音源は数少ない。むしろとくに今世紀の音源
[2023.7]【追悼】 ジェーン・バーキンを抱きしめて
文●向風三郎
暗い日曜日。2023年7月16日朝、パリ6区アサス通りの自宅アパルトマンの中で食事の準備で来たヘルパーの女性が死亡した状態のジェーン・バーキンを発見した。二人の娘(シャルロット・ゲンズブールとルー・ドワイヨン)の翌日発表したコミュニケによると、16年という長い年月ジェーンは病気と闘っていたが、その数日間は再び歩けるようにもなっていて、キャンセル続きになっていたコンサート活動も再開
[2023.7]【連載タンゴ界隈そぞろ歩き ⑤】 タンゴとエレキギター その2
文●吉村 俊司 Texto por Shunji Yoshimura
前回に続いてタンゴとエレキギターの界隈を歩き回る。ただし、ちょっと予定が狂って前回予告した内容を全部カバーしてはいない。ピアソラのところに長居をしてしまったのだ。
オールマイティなギタリスト、カチョ・ティラオ1960年代にアストル・ピアソラが五重奏団を結成して以来、彼のアンサンブルの中でのエレキギターは他の楽器 (主にピアノ
[2023.7]最新ワールドミュージック・チャート紹介【Transglobal World Music Chart】2023年7月|20位→1位まで【聴きながら読めます!】
e-magazine LATINA編集部がワールドミュージック・チャート「Transglobal World Music Chart」にランクインした作品を1言解説しながら紹介します! ── ワールドミュージックへの愛と敬意を込めて。20位から1位まで一気に紹介します。
20位 Hiram Salsano · Bucolica レーベル:Hiram Salsano [9]
19位 Frigg
[2023.7]【中原仁の「勝手にライナーノーツ」㊱】 Maria Luiza Jobim『Azul』
文:中原 仁
アントニオ・カルロス・ジョビンの末娘、マリア・ルイーザ・ジョビンが6月23日、セカンド・リーダー・アルバム『Azul(アズール)』をデジタル・リリースした。
マリア・ルイーザ・ジョビンは1987年3月20日、父が60歳を迎えた年に生まれた。前年の真夏、父の初来日公演の際、バンダ・ノヴァのメンバーだった母アナ・ロントラのお腹の中にいたことになる。新作にも日本の曲がある。まずは