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[2024.9]ジルベルト・ジル、16年ぶりに来日!〜おそらく日本では最後のツアーとなる、3公演を実施〜

文●編集部

 ブラジル音楽の歴史を作り出してきた音楽家、ジルベルト・ジル。今月末に16年ぶりに来日し、日本で3公演を行う。(東京公演は残念ながらすでに完売で、京都、高崎公演はまだ購入可能!)

◆9/26(木) 京都
開場18:00 開演 19:00  会場:ロームシアター京都 メインホール
《KYOTOPHONIE2024 AUTUMN》KYOTOPHONIE official website

◆9/27(金)東京(SOLD OUT)
開場 17:30 開演 18:30 会場:めぐろパーシモンホール 大ホール

◆9/29(日)群馬・高崎《第35回 高崎音楽祭》
開場 17:00 開演 18:00 会場:高崎芸術劇場 大劇場
高崎音楽祭 official website


 ジルは今年8月に、来年(2025年)3月から開始するツアーが、キャリア最後のツアーとなることを発表した。ブラジル9都市とアメリカ、ヨーロッパでの公演が予定されている。その中には日本は含まれていないので、今回の公演が、おそらく日本での最後の公演となるであろう。

 今回の来日は、ジルにとって6度目となる。過去の来日公演は以下の通り。

過去の来日公演/計5回来日
・1986年8〜9月:東京・大阪・名古屋・福岡をはじめ全国15公演
・1990年7〜8月:東京・大阪・名古屋・福岡をはじめ全国11公演
・1992年:日本武道館でのイベント「アースデー」に出演(この年6月に「国連環境開発会議 (地球サミット) 」がブラジルの リオデジャネイロで開催され、日本でのイベントに、ジルが代表で招かれた)
・1998年:ボサノヴァ誕生40周年記念フェスティバル「ゲッツ・ボサノヴァ」のメインアクトとして、東京:よみうりランドに出演
・2008年:ジャパン・ツアー 2008 ジルベルト・ジル&ブロードバンド・バンド 東京・大阪・名古屋・横浜で4公演

 16年前、2008年の来日時に、ラティーナでは「ジルベルト・ジル再考」として、半年にわたり特集を組み、来日を待ち望んだ。今回、16年ぶりに来日するのを記念して、その時の記事を以下に再掲する。 
 改めてジルのことについて知っていただける充実した内容となっているので、ぜひご覧いただきたい。


 2008年の来日後も、精力的に音楽活動を行い、何枚ものアルバムをリリースしている。2014年には敬愛するジョアン・ジルベルトにオマージュした『ジルベルトズ・サンバ』をリリース、斬新なギターワークを披露した。
このリリースの際に組まれた「特集 ボサノヴァ」内で掲載されたジルベルト・ジルへのインタビュー記事を以下に再掲する。


 2018年にリリースした『OK OK OK』では、若手ミュージシャン達ともコラボし、今世紀のジルの最高傑作との呼び声も高い。

 2020年頃からのパンデミック中には、音楽活動の様子を配信したり、ツールを使いこなし活動していた。
 月刊誌からwebマガジンe-magazine LATINAに変わった2020年8月に、ジルにインタビューを行った。(今回、全文無料で読めるようにしましたので、ぜひご覧ください)

 2021年には「ブラジル文学アカデミー」の永久会員に現役の音楽家として初めて選出され、今年4月にはブラジルの郵便局がジルの肖像を切手にして発行するなど社会的な評価も目覚ましい。

 80歳を迎えた2022年、ジルのファミリー総出演による音楽とトークのホーム・パーティー『EM CASA COM OS GIL』が配信チャンネルで放送され、同名のサントラ・アルバムもデジタル・リリースされた。今回の公演に繋がっているとも言える作品となっている。

 今回の日本でのツアー「Aquele Abraço Tour(アケリ・アブラッソ・ツアー)」は、ジルベルト・ジル60年のキャリアと、1971年に始まったワールドツアー50周年を祝うものとなっており、来日メンバーは以下のとおり、ジルのファミリー・バンドで編成されている。

●来日メンバー(予定)
 Gilberto Gil(vo, g)
 Bem Gil(vo, g, b)
 Jose Gil(vo, dr)
 João Gil(vo, g, b)
 Flor Gil(vo, key)

 ジルのこれまでのキャリアとワールドツアー50周年を、ジルのファミリーと共に祝いたい。しかし、もうこれで見納めになってしまうかもしれないという複雑な思いもある。

 コンサートツアーは来年のツアーをもって終えるとのことだが、音楽制作は続けるそうなので、ジルの今後の作品にも注目していきたい。

(ラティーナ2024年9月)


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